41 二人 ページ42
「じゃあ、テヒョン、よろしくね。」
朝7時半、ソヨンさんの声に送られてテヒョンくんと二人で玄関へ出る。
ちなみに昨日の夜は普通に3人でご飯を食べた。ソヨンさんが6割、私が3割、テヒョンくんが1割ぐらいの割合で沈黙も埋まった。まぁ、特別なこともなく普通に終わったのでご都合場カットってやつだ。
本当はユンギさんが父かソヨンさんが松葉杖の私を学校まで送っていってくれる予定だったのだが、都合の悪いことに、父は今日から遠方への工事に朝早く出かけ、泊まりがけ、ユンギさんは言うまでもなく家にいる時の方が少ないし、ソヨンさんはもう家を出なければいけないそうだ。
『あの〜、二人で歩くなら一人で歩いてもそんなに変わらないと思うんですけど。』
「何言ってるのAちゃん!全然違うわよ。荷物持ちもできるし何かあったらテヒョンから連絡取れるし、階段とかでは女の子一人ぐらい全然抱えられるわよ。』
TH「った!」
テヒョンくんの背中をバシッと叩いたソヨンさん。なかなか豪快でいい音がした。
テヒョンくんがギロリとソヨンさんを睨んだが、彼女はどこ吹く風と言ったように華麗に無視した。強すぎる。伊達にダメ男3人の元嫁やってない。
「じゃあ二人とも、言ってらっしゃーい!」
外に出ると自然に私の手から荷物を奪い取った。
『え…?ありがと。』
TH「自分で持つなら俺がいる意味ないだろ。」
スタスタ前を歩いてしまったけれど、それでもいつもよりはずっと遅くて、松葉杖の私でもなんとかついて行くことのできる早さだった。
前も話した通り、この辺は入り組んでいるくせに割と近くに駅がある。さすが金持ち集団だ。立地にもスキがない。
駅に着くと、テヒョン君が私のバッグから定期を取り出してくれて改札を通り終わると入れ直してくれた。もはや介護で申し訳ない。
普段は使わないエレベーターを使って駅のホームまで降りる。実はこの駅にエレベーターがあるとか知らなかったからテヒョン君についてきてもらえてやっぱり良かった。
時間が時間ということもあり、ホームは通勤ラッシュで尋常じゃないほどに混んでいた。
TH「…これ、松葉杖使えるスペースあるの?」
確かに少しでも踏み出せば誰かの足を踏んでしまいそうだ。
2分ほどであっさりと電車はきた。
TH「松葉杖かして。人に巻き込まれて危なくなりそうだから。」
そういうと、テヒョン君は軽々と私の体を支えてくれた。
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蒼色(プロフ) - ななさん» ななさん、こんにちは。そうなんです笑。ちょうど半日ぐらい違って皆さんが読みやすい夜に投稿ができないことも申し訳ないです💦続編でも是非よろしくお願いします! (8月26日 0時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - カナダにいらっしゃったんですね…‼︎なんとなく時差はあるのかなと感じていました笑。続編もお供させてください!笑笑笑 (8月25日 23時) (レス) @page50 id: 3dac742d50 (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - asさん» asさん、こんにちは。そんな日課の一部にしてくださるなんて嬉しすぎて感激です。続き今アップしました。このお話を読んでくださりありがとうございました。 (8月25日 23時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
as(プロフ) - 前作からお話読ませていただいてます!最近は朝起きてからと夜寝る前にこのお話読むのが日課でした…。続編を今か今かと待ちわびてます (8月25日 21時) (レス) id: ca05a930ec (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - ゆかさん» ゆかさん、こんにちは。そんなこと言っていただけるなんて嬉しいです。続編も是非是非よろしくお願いします! (8月25日 21時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼色 | 作成日時:2023年8月17日 0時