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ソヨンさんがキッチンの方へ消えていく。
さっきまでとは打って変わって、痛いほどの沈黙。
ご飯ができるまで部屋に篭ろうかな…。
気まずい雰囲気に耐えかねて部屋へ戻ろうと考えていたところ、
TH「…その怪我、何?」
テヒョン君がポツリと呟くように聞いてきた。
『…え?あ、私?これ?』
テンパって意味のわからない言葉を呟いてしまう。
TH「うん。それ以外何があるの?」
『そうだよね。今日学校の階段でさ、友達がふらついたから支えようとしたら、自分が怪我しちゃって笑。』
そう言うとテヒョン君は眉をかしげた。
TH「それってジミナのこと?」
『えー、まぁ、うん。』
そうか、私の友達と言ったらジミンしかいないもんな。なんだか気まずい雰囲気にしてしまった。
そんなことを一人で考えていると、隣のテヒョン君が、口を開きかけて閉じたりを繰り返している。
『あ〜、ジミンなら無事だよ。ちょっと寝不足なだけだったみたい。』
TH「そ。」
そっけない返事をしたテヒョン君だけど、安心したように息を吐いていた。やっぱりテヒョン君もまだ、ジミンのこと、心配してるんだ。思っている物同士、もっとどうにか出来ないのかなぁ、と思うけれど今のところ私にできることはないだろう。
TH「どれぐらいで治るの?」
『んー、全治一ヶ月程度だろうって。』
テヒョン君からの返事はなくまた、リビングが沈黙で包まれた。でもさっきよりは気まずくなくなった気がする。
「テヒョン、Aちゃん〜!ご飯できたわよ〜!」
ダイニングの方でソヨンさんの高い声が聞こえてくる。
すると、テヒョン君が立ち上がってこっちに手を差し出している。
『え?』
TH「足、痛むんでしょ?」
相変わらず無表情だったけれど、手を差し出してくれたテヒョン君。
『あ、ありがとう。』
実は松葉杖もあるのだけれど、ソファーの端に置かれたそれはテヒョン君の目に入っていないらしい。
テヒョン君は思ったよりも力強くてしっかり支えてくれる。
ダイニングまではそんなに遠くないはずなのに、テヒョン君にこんなに至近距離で支えられながら歩くとなんだか緊張してしまった。
「あら、Aちゃん。松葉杖は?」
テヒョン君に支えられた私を見てそう尋ねるソヨンさん。うわ、気まずい。
TH「家の中まで杖使うと脇が痛くなるじゃん。」
そんなことを平然と言うテヒョン君に不覚にもキュンとしてしまった。
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蒼色(プロフ) - ななさん» ななさん、こんにちは。そうなんです笑。ちょうど半日ぐらい違って皆さんが読みやすい夜に投稿ができないことも申し訳ないです💦続編でも是非よろしくお願いします! (8月26日 0時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - カナダにいらっしゃったんですね…‼︎なんとなく時差はあるのかなと感じていました笑。続編もお供させてください!笑笑笑 (8月25日 23時) (レス) @page50 id: 3dac742d50 (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - asさん» asさん、こんにちは。そんな日課の一部にしてくださるなんて嬉しすぎて感激です。続き今アップしました。このお話を読んでくださりありがとうございました。 (8月25日 23時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
as(プロフ) - 前作からお話読ませていただいてます!最近は朝起きてからと夜寝る前にこのお話読むのが日課でした…。続編を今か今かと待ちわびてます (8月25日 21時) (レス) id: ca05a930ec (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - ゆかさん» ゆかさん、こんにちは。そんなこと言っていただけるなんて嬉しいです。続編も是非是非よろしくお願いします! (8月25日 21時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼色 | 作成日時:2023年8月17日 0時