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父に支えられながらリビングに入ると、キッチンで料理をしているソヨンさんがいた。
「Aちゃん!私は怒ってるのよ!家に電話してくれなかった上に、女の子がこんな大怪我してきて。」
リビングに入るなり、ソヨンさんには怒られてしまった。怒り方は可愛かったけれど。
『心配かけてすみません。でも私は大丈夫なので。』
「子供なんて心配かけてなんぼなんだから、そこは気にしなくていいのよ。私が怒ってるのは、大怪我をしたのに連絡もしてくれなかったことよ。」
YG「まあ、確かにテヒョンは昔から心配かけるようなことばっかやってるしな。」
「そうなのよ。美形すぎるが故の儚さも相まって…。」
ソヨンさん…?話の論点がズレてる気がするけど?
ユンギさんを見るともはやもう慣れているようで、素知らぬふりだ。
〈ガチャッ〉
その時、オートロックの暗証番号が解除された音がする。
「あら、珍しい。噂をすればテヒョンが帰ってきたのかしら?」
軽い足音が続き、リビングのドアを開く。
「テヒョン、おかえり。今日は早かったのね。」
TH「…まぁ、うん。」
テヒョン君は滅多にないリビングに家族が全員揃った様子に驚いて目を丸くしている。
「せっかく今日はみんなで揃ったから、一緒にご飯食べましょ!私の夢だったのよ〜、みんなで食卓を囲うって。」
ワクワクした顔のソヨンさん。
YG「あ、悪い。俺昼抜けてきたからそろそろ戻らないと。」
「ソヨン…ごめん。俺もAの様子見るために一旦戻ってきただけなんだ。」
そういうと、二人ともそそくさとリビングを出ていった。
しょんぼりとした目が私とテヒョン君を捕える。
TH「…あー、俺ももう一回外出てくるわ。」
「ダメよ。許さないわ。テヒョンとAちゃんは一緒にご飯、食べてくれるわよね?」
美人の圧は強い。Noとは言えない雰囲気だ。テヒョン君をふと見ると諦めたようにソファーに座っていた。逆らっても無駄だと分かっているのだろう。私も諦めてもう一度深くソファーに座り直す。
「二人とも、ありがとう!ごめんなさいね、まだ料理の準備ができてなくて…。でも、そうと分かれば、今から私の腕によりをかけて料理するわ。」
腕枕をして嬉しそうに笑うソヨンさんを見ると気まずい食事になろうが、これで良かったかもしれないと思った。
横を見るとテヒョンさんは相変わらずの無表情だったけれど、いつもより優しい顔をしているような気がした。
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蒼色(プロフ) - ななさん» ななさん、こんにちは。そうなんです笑。ちょうど半日ぐらい違って皆さんが読みやすい夜に投稿ができないことも申し訳ないです💦続編でも是非よろしくお願いします! (8月26日 0時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - カナダにいらっしゃったんですね…‼︎なんとなく時差はあるのかなと感じていました笑。続編もお供させてください!笑笑笑 (8月25日 23時) (レス) @page50 id: 3dac742d50 (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - asさん» asさん、こんにちは。そんな日課の一部にしてくださるなんて嬉しすぎて感激です。続き今アップしました。このお話を読んでくださりありがとうございました。 (8月25日 23時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
as(プロフ) - 前作からお話読ませていただいてます!最近は朝起きてからと夜寝る前にこのお話読むのが日課でした…。続編を今か今かと待ちわびてます (8月25日 21時) (レス) id: ca05a930ec (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - ゆかさん» ゆかさん、こんにちは。そんなこと言っていただけるなんて嬉しいです。続編も是非是非よろしくお願いします! (8月25日 21時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼色 | 作成日時:2023年8月17日 0時