義理の兄は医者でした

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YG「はい、着いたよ。」


無駄話をしながらしばらくするとあっという間に家に着いたみたいだった。


捻挫の程度が酷かったらしく、松葉杖をもらってしまったのでなんだか大袈裟だ。


『…松葉杖ってなんか大袈裟じゃないですか？」


そう言うとユンギさんは呆れたようにため息をついた。


YG「お前さぁ、車椅子の時も言ってたけど、医者やジニヒョンが必要だって判断したんだから大袈裟じゃないんだよ。大体背中に負担がかかって大変だからって車椅子を勧められたのに、断固拒否して松葉杖にしてもらったろ？捻挫だって靭帯切れかけてるんだから十分重傷だよ。」


だって車椅子だったら、階段も使えないし、誰かに押してもらわなきゃいけないし不便すぎる。


『はーい。』


面倒くさくなって適当な返事をする。ユンギさんってソヨンさん以上に口うるさいお母さんみたいだ。


私の荷物を持ってもらって家の扉も開けてくれる。玄関に入るとクマの突進かと思うほどものすごいドタドタという足音が聞こえてきた。


勢いよく開いたリビングの扉からはお父さんが走ってきて、私に飛びついてきた。


『うわっ！』


なれない松葉杖で転びそうになるがそのままギュッと父の方に抱き寄せられた。


「このバカ！！なんでそうお前は危険なことをするんだ！仕事から帰ってきたらソヨンにお前が大怪我をして病院に運ばれたって聞いてどれだけ心配したか！電話に折り返しても出ないし、お前に何かあったらと思ったら…。」


私の肩に顔を埋めるパパ。私を抱き寄せた手は細かく震えていて、焦りと不安が伝わってくる。


『…うん、ごめんね。でも私、大丈夫だよ。友達を庇ったらちょっと転んじゃっただけなの。』


私と同じ、パパの色素の薄い柔らかい茶色の髪が首に当たってくすぐったかった。


「良かった…本当に。お願いだから人のために自分を犠牲にしないでくれ。お前まで失ったら俺はもう…。」


涙混じりの声
すごく心配かけちゃったんだなってなんだか申し訳なくなった。


『うん…ごめんね？』


数日ぶりにあった気がする。最近は仕事が忙しいらしく、一緒にご飯を食べることもほとんどなくなっていたから。


YG「ま、とりあえず中、入りましょうか。」


一生私から離れなそうな父を見かねたユンギさんが優しく私達の肩を押してくれた。


なんだか暖かくて、私って意外と大切にされてたんだなぁなんて実感する。

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