35 説教 ページ36
助手席に座るように促され、ドアを開けてもらう。背中が痛くないようにと柔らかいブランケットをシートに敷いてくれた。
YG「俺、車椅子戻してくるからちょっと待ってて。」
『はい、ありがとうございます。』
ユンギさんの車は大人っぽい落ち着く香りがする。車の消臭剤とかではなく多分、ユンギさんの香水の匂いだろうか。甘すぎないスパイシーな香りだ。
YG「おまたせ。」
シートベルトをしめて、車がゆっくり進み始めた…と思ったら、
YG「…じゃ、お説教始める?」
今からお説教を始めるとは程遠いニヤッとした笑みを浮かべていた。
YG「まずさ、なんで連絡してこなかったの?」
『いや…連絡はしました。…父に。』
YG「仕事中に電話には出ないってわかってただろ?家にかければ誰かしら付き添えたのに。」
『…すみません。』
ユンギさんは前を向いたまま話し出した。
YG「まぁ出会って数日で信用しろってほうが難しいけどな、俺だってすぐにお前を妹だって思えないし。」
出会って数日、しかもユンギさんもテヒョン君も時間にすると1日も一緒に過ごしていないだろう。それなのに家族だと思えっていうのは少し無理がある。
その通りだと思ってコクリと頷く。
YG「だけど、俺が言いたいのはさ、すぐに家族になれないのはしょうがないけど、頼ってみようと努力しろってことだよ。今回みたいに体調面に関わることなら特にな。俺が家に戻って保険証取りに行った時、母さんすごい心配してたぞ。」
そっか…ソヨンさん、心配してくれたんだ。それを聞いてなんだか申し訳ないようなくすぐったいような気持ちになった。
YG「俺もさ、元々人を疑ってかかる性格だからさ、すぐに家族になるって言うのは難しいけど、お前のこともテヒョンと同じぐらい大切な妹だと思ってるよ。」
前を向いたままのユンギさん。冷たそうな顔をしているけど、本当は誰よりも優しい人なんだなぁと思った。
『ありがとうございます。』
YG「まぁ、そう言っときながら難しいよな。もうテヒョンと10年以上一緒に暮らしてるけど、いまだにアイツが俺を頼ってきたことなんてないし。アイツは俺と違って真っ直ぐだから。…ジミンって、テヒョンと昔仲良かった奴だろ?」
『え…なんで?』
YG「だって、お前の今の親友だろ?ってことはテヒョンの昔の親友。前言ってたじゃん。」
そういえばまさかユンギさんとジミンが実際に会うなんて思ってなくてそんなこと言った気がする。
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蒼色(プロフ) - ななさん» ななさん、こんにちは。そうなんです笑。ちょうど半日ぐらい違って皆さんが読みやすい夜に投稿ができないことも申し訳ないです💦続編でも是非よろしくお願いします! (8月26日 0時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - カナダにいらっしゃったんですね…‼︎なんとなく時差はあるのかなと感じていました笑。続編もお供させてください!笑笑笑 (8月25日 23時) (レス) @page50 id: 3dac742d50 (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - asさん» asさん、こんにちは。そんな日課の一部にしてくださるなんて嬉しすぎて感激です。続き今アップしました。このお話を読んでくださりありがとうございました。 (8月25日 23時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
as(プロフ) - 前作からお話読ませていただいてます!最近は朝起きてからと夜寝る前にこのお話読むのが日課でした…。続編を今か今かと待ちわびてます (8月25日 21時) (レス) id: ca05a930ec (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - ゆかさん» ゆかさん、こんにちは。そんなこと言っていただけるなんて嬉しいです。続編も是非是非よろしくお願いします! (8月25日 21時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼色 | 作成日時:2023年8月17日 0時