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2人で備品室に行き、必要なものを揃えた後、職員室へと向かう。
結局腐ってもジミンというか、重いものは全部自分で持ってくれたので私がいる意味というのはもはや謎だ。
『ジン先生、絶対自分で運びたくなかっただけじゃんね。』
無言の間を埋めるようにどうでもいい愚痴をはさむ。が、どうもさっきからジミンの反応が薄い。
『ねぇ、ジミン。聞いてるの?』
横を見ると、隣で資料集を抱えたジミンの体が傾いた。
『ジミン!危ない!!!』
JM「…え?」
これはやばいやつだ、と思って咄嗟に自分の持っていた資料たちを投げてジミンをキャッチする…予定がやっぱり体重の差的にも支えきれなかった。
身体がふわりと宙に投げ出される感覚がした。
後ろ向きでジミンをキャッチしたため、前を見ることができず、上手く着地することもできなそうだ。
『いっっっ!』
咄嗟に手すりを掴む、がもちろん片手で抑え切れるはずもなく、摩擦で手がありえないほど熱い。
そのまま手すりの方に身体が傾き背中と後頭部を手すりに強打した。
『ッッッッ!』
仮にも2人分の体重を抱えているわけだからすごい音がする。
『ジ…ミン…大丈夫?っはぁはぁ…はぁ。』
背中を強く打ったせいで上手く息ができない。が、なんとか手すりにしがみついたおかげで2人で階段下へ大転倒は免れた。
JM「…っ!A!ごめん、俺がぼーっとしてたから!」
正気に戻ったようなジミンは泣きそうな顔で私に謝ってきた。
『いいよ、大丈夫。結局落ちなかったし…っ、』
なんか身体中痛くてよくわからないけど、結果オーライだ。
JM「…っ!本当にごめん。保健室行こう。」
ジミンが手を貸してくれるが、ジミンの手を掴んだ瞬間自分の手に激痛がはしった。
『いっっ!』
無理やり手すりを掴んだ手は、摩擦の熱で手のひらの皮が捲れ上がり、血が滲み爪も剥がれかけていた。
JM「ほんとに…ごめん。」
もうほぼ泣いているだろ的な顔でまた謝ってくるジミン。
『そんな、泣きそうな顔しないでよ笑。私が倒れた時はジミンが支えてくれたんだから、お互い様でしょ。落ち着いたら自分で立てるから待っててね。』
階段下に投げ出された私の持っていた体の臓器の模型が粉々に飛び散っているのをみて、本当に落下しなくて良かったと思った。
何度も謝ってくるジミンに申し訳なくなってきてスマートに支えられてたらなぁ、筋トレでも始めようかなぁなんて呑気なことを考えた。
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蒼色(プロフ) - ななさん» ななさん、こんにちは。そうなんです笑。ちょうど半日ぐらい違って皆さんが読みやすい夜に投稿ができないことも申し訳ないです💦続編でも是非よろしくお願いします! (8月26日 0時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - カナダにいらっしゃったんですね…‼︎なんとなく時差はあるのかなと感じていました笑。続編もお供させてください!笑笑笑 (8月25日 23時) (レス) @page50 id: 3dac742d50 (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - asさん» asさん、こんにちは。そんな日課の一部にしてくださるなんて嬉しすぎて感激です。続き今アップしました。このお話を読んでくださりありがとうございました。 (8月25日 23時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
as(プロフ) - 前作からお話読ませていただいてます!最近は朝起きてからと夜寝る前にこのお話読むのが日課でした…。続編を今か今かと待ちわびてます (8月25日 21時) (レス) id: ca05a930ec (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - ゆかさん» ゆかさん、こんにちは。そんなこと言っていただけるなんて嬉しいです。続編も是非是非よろしくお願いします! (8月25日 21時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼色 | 作成日時:2023年8月17日 0時