義理の兄は医者でした

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『ただいま〜。』


あのあとジミンに少し謝られ、すぐに別れて家へ帰ってきた。


ジミンとテヒョン君の間に何があったのだろう。


私には全く想像もつかないけれど、ジミンは理由もなく人を傷つける人じゃない。それどころか人の痛みにまですごく敏感で、自分まで心を痛めてしまうような人だ。


テヒョン君を故意的に傷つけるわけがない。元々2人は親友だったのだから尚更。


YG「…あ、おかえり。」


リビングに入ると多分昨日の夜ぶりに帰ってきたであろう仕事帰りのユンギさんがいた。


YG「…水、飲む？」


駅からの道のりを歩いてきて汗をかいている私のことを気遣ってくれたのだろう。


『あ、ありがとうございます。』


冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出してコップに注いでくれる。


コップを受け取る際、ジミンに掴まれた手首が軽く痛んで、顔を顰める。


YG「その手、どうしたの？」


『あぁ、友達と喧嘩しちゃって。』


そう言うとユンギさんは特に言及せずにへぇ、とだけ言った。


もしかしたらユンギさんはテヒョン君のこと、何か知っているかもしれないと、思い顔を上げた。


『ユンギさんは…テヒョン君の昔の親友のこと、知ってますか？テヒョン君の昔の親友が私の今の親友で。』


YG「…テヒョンの？何それ笑。世界狭すぎかよ…あー、手当てしてやるから、そこ座れよ。」


ユンギさんは今日何があったのか大方察したのだろう。私にソファーに座るよう促した。


YG「えっと…てヒョナの昔のことか。アイツね、今も荒れてるけど、あれ昔からなんだよ。中学生だったくせに平気で朝帰りとかしてたし、よく傷だらけで帰ってきたし…。だけど高校に入って一時期ピタッとそれが止まった。よく笑うようになった。もしかしたらその時にお前の今の親友と知り合ったのかもしれないな…てかお前手首細っこいな。湿布切らなきゃいけないじゃん。』


結局ユンギさんからはふんわりとしたことしか聞けなかった。


『ユンギさんは、心配じゃないんですか？…なんか人ごとに聞こえると言うか…痛っ』


湿布を貼られる時に手首を触られて痛む。


YG「あぁ、ごめん。痛かった？他人事に聞こえる…か。心配だよ。可愛い弟だからな。だからと言って俺にできることは何もないから。」


俺にできることは何もない、と言うユンギさんはやっぱり冷めているように見える。


『兄弟って意外とそんなもんなんですかね？』


YG「知らね、でもうちの場合はそうだった。」

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