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〈キキーッッッッ!ガッシャン!〉


体がありえないほど浮遊して、その次の瞬間には大きな衝撃。


すぐに夢だと気がついた。小さな頃からこの夢をよく見る。お前はもっと苦しむべきだと言われてるように追い打ちをかけるように。


目を開けた瞬間に映ったのは、腕がありえない方向に曲がり足は瓦礫で挟まり、顔も血だらけの母の姿。


『っはぁ…』


夢だとわかっている。分かっているのに私は手足を拘束されて無理やり映画を見させられてるように、目を背けることができない。







ジメジメとした雨が降り、雷もなる日のことだった。その日の朝、私は数日前から具合を悪そうにしてきた母を無理やり起こして、学校へ車に乗せてもらうように頼んだ。


『ママ、ママ!早く起きて!なんで起こしてくれなかったの!もう学校遅れちゃうよ!送ってって!』


「もう…四年生でしょ。いい加減自分で起きなさいよ。…ママ具合悪いから走っていきなさい。」


確かに母の顔色は青白く、数日前には父と病院に出掛けていくところも見かけた。


『ママ!お願い!ねぇ!!ママが起こしてくれなかったのが悪いんじゃん!』


夢だから…映画館から見ているだけだから、私は何もすることができない。


何かできるなら…私は私自身を迷いなく殺.すだろう。


私は母の布団を剥ぎ取り無理やり車に乗せた。


「もう……これで最後だからね。」


結局車を出してくれた母、学校までは車で10分ほどですぐに着くはずだった。



が、車で大きく左折する時ありえないぐらいの速さの車が突っ込んでくる。


衝突音、悲鳴、救急車の音、ガソリンの匂い、血の匂い


身体中が熱い。意識を失う前、母に向かって手を伸ばした。


「…A…。だ……じょぶ。なか…いで。Aは…お…に…なる…ら。」


私は死に際の母の声を聞き取ることができなかった。


次に目を覚ました時には、身体中に繋がれた管、そして真っ白な部屋。


その時には母はもうこの世にいなかった。


私は私を一生許さない。だから、こうやってただ夢に現れるんだろう。母だって私を憎んでいるはずだ。私さえいなかったら…母は死ぬこともなかったはずだから。

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蒼色(プロフ) - ななさん» ななさん、こんにちは。そうなんです笑。ちょうど半日ぐらい違って皆さんが読みやすい夜に投稿ができないことも申し訳ないです💦続編でも是非よろしくお願いします! (8月26日 0時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - カナダにいらっしゃったんですね…‼︎なんとなく時差はあるのかなと感じていました笑。続編もお供させてください!笑笑笑 (8月25日 23時) (レス) @page50 id: 3dac742d50 (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - asさん» asさん、こんにちは。そんな日課の一部にしてくださるなんて嬉しすぎて感激です。続き今アップしました。このお話を読んでくださりありがとうございました。 (8月25日 23時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)
as(プロフ) - 前作からお話読ませていただいてます!最近は朝起きてからと夜寝る前にこのお話読むのが日課でした…。続編を今か今かと待ちわびてます (8月25日 21時) (レス) id: ca05a930ec (このIDを非表示/違反報告)
蒼色(プロフ) - ゆかさん» ゆかさん、こんにちは。そんなこと言っていただけるなんて嬉しいです。続編も是非是非よろしくお願いします! (8月25日 21時) (レス) id: 3f04ad914f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼色 | 作成日時:2023年8月17日 0時

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