義理の兄は医者でした

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お食事会当日、少しだけキレイめな紺のワンピースを着て、父と2人だったら絶対に入らないような格式高めのレストランに入った。


「お連れ様がお見えになりました。」


ウェイターに連れられた先には、綺麗な女の人と真っ青な髪色の美形な男の子が座っていた。


え？ていうか思ったよりもお子さんが大きいのだけれど？


成人済みならそう説明しろと、隣の父をギロリと睨むとなんのことかわからないというような顔をされた。


「こんにちは、Aちゃん。今日は来てくれてありがとうね。私はミン・ソヨンって言います。よろしくね。」


ソヨンさんは女優さんかな？と思うほど綺麗だった。とてもじゃないが父と同じような50代には見えない。いや、実際もっと若いのかもしれないが。


「ほら、テヒョンも挨拶して！」


ソヨンさんに急かされだるそうな顔を覗かせた超絶顔面国宝美男子。


やっぱり遺伝子って大事なんだなと思う。なんかもうその2人だけ別次元にいるような感じだ。


TH「えっと、次男のテヒョンです。今は美容学生やってます。」


にこりとこちらに微笑んだが、美形すぎるゆえか作り物のようなものを感じた。


その笑顔が作り物かはさておき、なんだか歓迎されていないようなオーラを感じる。そんなこの短時間で何を、と思うかもしれないが、母を亡くしてから好奇の視線にさらされることも多く人の雰囲気にはかなり鋭い方だと自負している。


「長男はユンギって言うんだけど、今病院に急患が入っただかで遅れるって連絡が来たの。今日ぐらいは時間通りに来なさいって言ったんだけどね。ごめんなさいね。」


え…？
待って長男医者なの？


看護師を目指している身としてどうなんだと思うがあまり医者が好きではない。いや、医者という職業を一括りにするのもどうかと思うが、ここまで何度か看護実習をしてきてロクな医者に出会ったことなんてないのだ。


また父の方をギロリと睨むと、散々私から先輩ナースや医者の愚痴を聞かされたのを覚えていたのか気まずそうに目を彷徨わせた。


これは多分…いや完全に私に故意に伏せていたな。


まあ、相手の息子さんが医者だからといってもちろん再婚の件を却下する気などはさらさらないが。


「初めまして、ソヨンさんにテヒョン君。私はAと申します。えーと、看護学生です。よろしくお願いします。」


なんとも平凡な自己紹介を終え、その場は料理を待つ気まずい時間へと突入した。

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