243.二度目は甘く優しい。1 ページ4
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「寒くはないか？」
「う、うん……平気」
濡れた衣服を乾かす為に今は何も身につけていなくて、古びた小屋にあった布で体を包んだ。暫く使われていなかったせいか中は埃っぽく、薄暗い部屋に蝋の明かりだけ。火を起こすものが何もなくて、寒くて自分の体を抱き締める。
「寒くないと言っておきながら、Aは嘘が下手だな」
「それは…、」
「こっちに、俺の側に来い」
政も私と同じような状況…布の下は何も身につけていない。濡れた衣服を脱ぐ時に一瞬政の体を見て気づく、前に見た時よりも体つきが逞しくなっていて、それを盗み見ていた私は政と目が合い慌てて視線を逸らした。
疚しい気持ちはなくても、鼓動が早くなる。
「あの、政は一人で私を探しに来てくれたの？」
「ああ。お前が咸陽に戻って来てないと聞かされ、待ってなどいられなかった」
「一国の王が勝手なことして…後で怒られたりしない？」
「どうだろうな。だが、お前が無事ならどんな罰を受けても構わない」
「政……ありがとう」
意思の強い目でじっと見つめられると、何も言えなくなってしまう。何か次の話題を考えなきゃ間が持たない。普段なら気にしないのに、二人だけのこの状況に妙に緊張してしまって…。
「A……側に来い」
「あ、うん……。」
拒む理由もない私は、少しだけ政との距離を縮めようと立ち上がった時だった。本当にこんな時は自分の行動に呆れてしまう。足元が暗かったとしても、まさか政を押し倒すような状態になるなんて。
「怪我はないか？」
「ん…大丈夫……え？あ、ごめん！」
何かに足を引っかけたのは感じたけど、倒れた感触は痛みではなく温かいものだった。私を心配してくれる声は近く、政を押し倒している状況に私は驚き距離を取ろうとした。
「俺から離れて行くな」
「政…？」
「ずっと俺の腕の中にお前を繋ぎとめていたい。待っているとお前に約束した。だが、いつまで俺は待てばいい？お前だけが欲しくて、俺だけを見て欲しくて…。王騎の傷が癒えぬなら、俺にその代わりをさせてくれないか？Aが愛しくて堪らない」
私の背中に腕を回して抱き締めてきた政は、私の体を反転させ覆い被さってきた。布がはだけ政の上半身をさらす。白く綺麗な肌、男の人にしては線が細く、でも程よい筋肉がついていて、父上とはまた違う。
「俺を誰かと比べるな。頭の中、俺のことだけ考えていろ」
そう言うと、政は私の身につけている布に手をかけた。
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S - 初コメ失礼します！キングダムにハマって昨日この小説を一から読んだんですがほんとに号泣で最高です！これからもがんばってください (3月31日 13時) (
レス) @page50 id: 458c8fefa1 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - 綿菓子さん» コメントありがとうございます。確かに、自分でも早いと思ってます笑。引き続き読んでいただけたら、嬉しいです。ありがとうございますね。 (2020年6月12日 19時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
綿菓子 - 最近は更新スピードがとても速いので嬉しいです！唯一無二の花嫁。７も必ず読みます♪無理せず更新頑張ってください(^^) (2020年6月11日 19時) (レス) id: 80159fc2f2 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - 海さん» ありがとうございます。私も、読者様がこの作品を読んでくれることと、コメントをもらえることが原動力になってます。更新頑張ります！ (2020年6月8日 5時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - ゆうあさん» はい、宜しくお願いします！こちらこそ読んでいただき、ありがとうございます。頑張りますね！ (2020年6月8日 5時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2019年12月30日 16時
