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色褪せない思い。2 ページ35

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幼き頃からお前は可愛かった。鳳明と一緒に私の元へと弟子入りしてきた時から、ずっとその成長を側で見守ってきた。年を重ね、大人の女へと近づく度に日増しに欲求は募っていく。それはただ単に可愛い弟子だけではない感情。

そんな目で私がお前を見ていたとは、気づかれたくはなかった。

このまま弟子として、一線を超えてはいけないと自分に言い聞かせて。


「いつから私に好意を寄せていた?」

「気づいていたんですか…!?」

「私の質問に答えろ」

「先生に…弟子入りを志願した時からです」


頬を染め俯くAの手に、私は自分の手を重ねた。幼き頃何度も繋いだ手。大人になるにつれ容易に握ることは出来なくなり、時折触れて成長の過程を確認する。


「私だけじゃなかったようだな。思えば、私もお前を一目見た時から好いていた。まだ、色恋もわからぬ子供のお前にだ。知られたくなかった…。言うつもりもなかった。だが、このまま弟子と先生の関係で終わりたくはない」


年相応の相手がお前には相応しいのだろう。鳳明のような、又は別の男か。

わかってはいる。年上として、師として大人の対応をとり自分が身を引くのが一番の解決策だと。では、このやり場のない思いはどうすればいい?突然現れた男にAを奪われ、自分ではない男の元で幸せになるなど…。

ずっと見守ってきたのは、私だ。
幸せなら、私が与えてやりたい。


「先生も私の事を…。」

「迷惑ではないか?お前と私では年も離れている」

「私は先生だから好きなんです。誰でもない霊凰先生だから」


冷酷無慈悲な人間だと、皆が私をそう呼んでいるのは知っていた。そう言われるような事も沢山してきた。使えるモノ、使えないモノを選別して。

それでも人並みの感情はある。
愛しいと思う事も、抱きしめたいと思う事も。


「そろそろ、私に贈り物をくれないか?長年待ってきた。この日を何度も夢描いていた。お前の質問に答えるなら、私の好きなモノは…Aお前だ」


握ったAの手を自分の口元に持っていった私は、彼女の甲に口づけを。肩を抱き寄せ、次に先生と私の名前を呼ぶ唇に口づけをした。

愛し愛されること。1 王騎 (サラ様リク)→←色褪せない思い。1 霊凰 (いちご飴様リク)



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bluemoon(プロフ) - りんさん» はじめまして。返信遅くなり申し訳ありません。私なりの解釈で慶舎を書かせてもらいましたが、お話しを気にいってもらえたのなら嬉しいです。番外編にも登場させたいと思っています。主人公と幸せになってもらいたいので。こちらこそコメントありがとうございました。 (2020年9月4日 22時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
りん - はじめまして。感謝をお伝えしたく書きこみします。キングダムにはまったばかりでしたが、bluemoonさんの小説でキングダムをさらに楽しむことができました!私は慶舎が好きなのですがbluemoonさんの書く慶舎がとても好きです。素敵な小説本当にありがとうございました! (2020年8月21日 13時) (レス) id: 1e1ceb0c12 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - ちぃさん» コメントありがとうございます。こちらこそ、ちぃさんにはリクエストもいただいて、楽しくお話しを書く事ができました。取り敢えず完結と言うことで。また短編が書きたくなったら考えてみようかなと思います。まだ、出してないキャラも沢山いますから笑 (2020年8月13日 9時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 短編おつかれさまでした!どのキャラの話もドキドキして恋しちゃうような素敵な作品ばかりでした!bluemoonさんの作品、本当に大好きです!引き続き本編も楽しみにしています!が!暑い日が続いていますのでご無理なさらず、お体ご自愛くださいね(^^) (2020年8月13日 8時) (レス) id: fe5c27facf (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - 猫猫さん» コメントありがとうございます。ですが、この短編は完結となっておりますので、以後リクエストを受け付ける事をしないつもりです。答えられず申し訳ありませんが、ご了承ください。お話しを読んでいただきありがとうございました。 (2020年8月12日 23時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:bluemoon | 作成日時:2019年11月19日 11時

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