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酔わされて。2 ページ8

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夢のような状況に思考がついていかない。それは俺だけじゃなく、目の前に胡座をかいている王賁も蒙恬も同じで、豹変したAの様子に驚いていた。


「ねぇ、信……もう一口だけいいでしょ?」

「お、おう…。」


俺の腕に手を絡ませ「飲み足りない」と甘えてくるAの距離の近さに、さっきから鼓動が煩い。Aの髪からいい香りがして、女特有の柔らかい感触が直に腕に当たってて、いつもならあり得ない状況。

チラッと下に視線を向ければ上目遣いのAと目が合って、俺に微笑んでくれた。服の隙間から見える谷間に、思わず自分の喉が鳴る。


「くれないの?」

「え、」

「信…欲しいのに…。」


"欲しい"そのフレーズは勝手に脳内で都合よく変換され、艶っぽい唇を意味もなく見つめてしまう。Aが言ってるのはお酒のことで、決して俺のことが欲しい訳ではない。

それなのに俺は…。


「A、口開けろ」

「ん…、」


言われたように薄く唇を開いたAに、手にしていたお酒を口に含んだ俺はそのまま顔を近づけた。目を閉じ拒む素振りもなく俺を受け入れてくれる。口移しで流し込んだお酒は口内になくなった後も互いの唇は離れない。舌に残ったお酒の味を堪能するように絡め、吸い付き、荒くなる呼吸に息を整えようと唇を離そうとするAの後頭部に手を回し、もっと欲しいと深くキスをした。


「…っ…ん……まっ…て、」

「悪ぃ…歯止めききそうにねェ…、」


このまま抱いてしまいたい。

周りを見る余裕もなくなっていた俺は、「はい、そこまでね」と聞こえてきた蒙恬の声に我に返った。俺の腕の中にいるAを見れば真っ赤な顔をしていて、その表情に体の中心がまた疼きだす。


「気持ちわかんなくもないけどさ、強引過ぎじゃない?女の子は優しく扱ってあげなきゃ」

「仕方ねェだろ…Aを前にしたら抑えられねェから…。」

「じゃあ、次は俺の番だよね?無言で見てくる王賁の殺気は背中に感じてるけど、約束はちゃんと守ってくれるよね?」

「………わかってる」

「納得してない感じだけど…。Aちゃん、こっちに来て」


素直に従うAに、次は蒙恬に何をされるのか不安になった。

何も知らないのはAただ一人。

未来永劫貴方と共に。1 王騎→←酔わされて。1 信×王賁×蒙恬



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bluemoon(プロフ) - りんさん» はじめまして。返信遅くなり申し訳ありません。私なりの解釈で慶舎を書かせてもらいましたが、お話しを気にいってもらえたのなら嬉しいです。番外編にも登場させたいと思っています。主人公と幸せになってもらいたいので。こちらこそコメントありがとうございました。 (2020年9月4日 22時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
りん - はじめまして。感謝をお伝えしたく書きこみします。キングダムにはまったばかりでしたが、bluemoonさんの小説でキングダムをさらに楽しむことができました!私は慶舎が好きなのですがbluemoonさんの書く慶舎がとても好きです。素敵な小説本当にありがとうございました! (2020年8月21日 13時) (レス) id: 1e1ceb0c12 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - ちぃさん» コメントありがとうございます。こちらこそ、ちぃさんにはリクエストもいただいて、楽しくお話しを書く事ができました。取り敢えず完結と言うことで。また短編が書きたくなったら考えてみようかなと思います。まだ、出してないキャラも沢山いますから笑 (2020年8月13日 9時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 短編おつかれさまでした!どのキャラの話もドキドキして恋しちゃうような素敵な作品ばかりでした!bluemoonさんの作品、本当に大好きです!引き続き本編も楽しみにしています!が!暑い日が続いていますのでご無理なさらず、お体ご自愛くださいね(^^) (2020年8月13日 8時) (レス) id: fe5c27facf (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - 猫猫さん» コメントありがとうございます。ですが、この短編は完結となっておりますので、以後リクエストを受け付ける事をしないつもりです。答えられず申し訳ありませんが、ご了承ください。お話しを読んでいただきありがとうございました。 (2020年8月12日 23時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:bluemoon | 作成日時:2019年11月19日 11時

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