204.誘われて。2 ページ13
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「Aどうかしたのか？」
「信……。」
「まさか李牧に何かされたんじゃ、」
「ううん、何もされてない。心配してくれてありがとう」
「ならいいけどよ。何かあったら言え」
「うん…。」
外の空気が吸いたくなった私の後を追いかけて、信が隣に来た。夜風に寒くないかと私に寄り添う信は、一年見なかった間に逞しくなった。
その分、腕や顔に出来た傷も増えているけど…。
「俺さ、昌平君にこの気に乗じて李牧を討てと命令された」
「え、」
「もちろん断ったけどな。そんな卑怯なマネして奴を討っても王騎将軍は喜ばねェ。決着をつけるなら戦場って決めてるから。だから待ってろよA、必ず俺が王騎将軍の仇とってやるから！」
頼もしい言葉。
落ち込んだ時いつも励ましてくれる信に、私は何度も助けられてきた。里典さんの所で下僕の身として燻っていた時とは、何もかもが変わった。大きく成長し、今では名をもつ隊の隊長にもなった。
夢を掴む為に、信は前に進んでいる。
「けどさ、武勲を上げるにしてもこうデッカイ戦がなくて、実際の所は何をしていいのかわかんねェんだよ。小さいモノじゃいつまでも飛信隊は三百将どまりだ。俺はもっと飛信隊の名を世に広めてェ」
「私は十分すごいと思う。信も飛信隊の皆も」
「A……お前の力、俺に貸してくれねェか」
「私の力を…？」
「隊の奴らもお前のこと慕って頼りにしてるって言うか、何より俺が側にいて欲しい。お前の事は何があっても絶対守ってやる。考えといてくれねェかな…？王騎将軍の仇をとるとこお前に見せてやりてェんだ」
真剣な眼差しに、目を逸らしたのは私。真っ直ぐに見つめてくる信の目は純粋で、私には眩しい。
腰布に密かに忍ばせた短刀。李牧の命を狙えと昌平君さんに手渡されたもの。仇討ちなど卑怯なマネをしたくないと言う信には、私がこれからしようとしている事は言えない。
きっと軽蔑されてしまう。誰かの手によって暗殺が遂行されるなら、その役目は自分の手で…。
「A？」
どうしたと俯く私の顔を覗きこむ信に、何でもないよと私は笑った。
「信の誘い、考えとくね」
「ああ。でも、お前を連れて行くこと。政がなんて言うかな」
上手い言い訳なにかないかと腕を組んで悩む信を横目に、私の心は別の者に向けられていた。
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caho(プロフ) - 王騎や騰との子作りや妊娠話、幸せ展開が見たいです。もっと早く主様のお話を見つけたかったです（ ; ; ）最高です。 (2022年10月13日 1時) (
レス) @page7 id: 7b5b48dd3d (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - 紗里さん» コメントありがとうございます。作品を書くにあたり私も王騎将軍との恋愛であったりお話しを書くのが、とても楽しかったです。花嫁7では、序盤から騰との絡みを予定してますので。楽しんでいただけたらと思ってます。移行準備頑張りますね！ (2020年6月19日 6時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
紗里 - 実写からキングダムにハマり単行本を一気読みして王騎将軍がうたれたときには涙が止まらなくそしてここで王騎将軍と恋愛できとても嬉しく感動です。他の人との絡みも絶妙ですごく面白いです。できれば騰とのつながりがみたいです。でもバジオウもすてがたいです。 (2020年6月19日 0時) (レス) id: 4fff12daeb (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - 綿菓子さん» シリーズ6では、初めから二人と絡ませました。今後また出会う時の展開として。色んなキャラが多すぎて、どうお話しを持っていこうかと…嬉しい悩みではあります笑 (2019年12月30日 16時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
綿菓子 - bluemoonさん» 特に合従軍編が色んなキャラが出てきますもんね！推しの項翼と白麗が出てきたらニヤニヤしっぱなしですw更新待ってます♪ (2019年12月30日 8時) (レス) id: 80159fc2f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2019年10月6日 3時
