好敵手。1 王賁×蒙恬(リク) ページ46
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「Aちゃん、右手が上がってる。柄を持つ手を揃えて。あ、実際に教えた方がわかるよね」
私の背後に回ってきた蒙恬さんが隙間なくぴたりと体を寄せてきて、右手は柄を握っている私の手の上に。左手は私の腰部分に回された。
「あ、あのっ」
「気にしない気にしない。肌を密着させることも親睦を深めるための一つだよ」
「親睦を深めるためじゃなくて、私は稽古を…、」
「いつも稽古ばかりでたまには女の子らしいこともしてみたら？」
「どういうことですか？」
「例えば着飾って俺と二人で出かけるとか。二人きりで部屋で楽しいことするとか」
「楽しいこと？」
「興味ある？今から俺の部屋に、」
「却下だ。Aは今、俺と稽古の最中だ。関係のない奴は失せろ」
蒙恬さんの腕から私の体を引き離した王賁さんは、自分の背に私を隠した。掴まれた腕はそのままで、少しだけ痛い。
「王賁さぁ、最近Aちゃんの邸に入り浸ってるのなんで？」
「稽古をつけてやっている。何か問題はあるか？」
「問題って言うか、稽古を口実にしてAちゃんと仲良くしたいだけじゃないの？」
「下心丸出しのお前と一緒にするな」
「酷いな…。俺はただ、見たまんまのこと言っただけなのに」
不穏な空気。
睨み合っているところ悪いけど、蒙恬さんの言葉に苛立っているのか、私の手を掴んでいる王賁さんの力が強くなる。
「痛っ…王賁さん！その、手を離してくれませんか？」
「ああ…すまない。手加減もなしに俺は」
私の言葉に手を離した王賁さんはバツの悪い表情を浮かべていた。その表情が親に怒られたような子供のような顔をしていて「大丈夫ですから」と笑いかけると、そっと頬に添えられた手。見上げる先には王賁さんがいて。
「お前の笑っている顔は本当に愛らしい。いや、笑う姿だけでなく俺に見せてくれる表情一つ一つが可憐で…、だから俺はお前に、」
「はい、ストップ。それ以上の言葉は、俺も黙ってないよ。と言うかさ、王賁自分で分かってないよね」
「何を言っている？」
「好きで好きでどうしようもないって、十分態度に出てるってこと」
「王賁さん好きな人がいるんですか！？」
驚く私に、私以上に驚く蒙恬さんが「Aちゃん鈍いよねぇ」と苦笑した。
「あ、ちなみに俺も好きな子いるから」
「蒙恬さんまで？」
「うん、そう。その好きな子って言うのがAちゃんなんだけどね」
いたずらっ子のような笑みを浮かべた蒙恬さんは、新たな火種を落とした。
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まどか - 本編のほうのパスワードを教えてください。 (2022年8月3日 18時) (
レス) id: 424ebb80af (このIDを非表示/違反報告)
ニャンコ(プロフ) - 唯一無二の貴方２がみたいのでパスワードを教えて下さい。 (2022年7月30日 19時) (レス) id: 42086511e3 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - あおさん» リクエストありがとうございます。那貴は今まで書いたことないキャラです。大人な雰囲気があって格好いいですよね。余り感情を表に出さないキャラだと思いますが、主人公と二人きりだとデレてくれたら…そのギャップに萌えそうです笑。番外編で待ってくださいね！ (2020年3月5日 20時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - 初めまして、コメント失礼いたします。遅ればせながらbluemoon様の作品を楽しみに日々生活させて頂いております！リクエストさせてください！大好きな那貴のお話書いていただけたらな、、と思っております！是非お時間あればお願いしたいです^_^ (2020年3月5日 1時) (レス) id: 78f704a63d (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - とりけらとぷすさん» 私も輪虎は書いていて楽しいキャラでもあります。無邪気で子供みたいな性格が可愛いなと想像しながら、毎回書かせていただきました。リクエストありがとうございます！番外編2の方でお話しを書きたいと思います。待っていてくださると嬉しいです(^-^) (2020年2月19日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2019年7月20日 9時
