好きと言う言葉。 録嗚未(リク) ページ3
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「少しぐらいいいじゃないですか！」
「駄目です。さっきから何度もそう言ってるはずですよねェ？」
「だけど、」
「聞き分けのない子は嫌いです」
「…っ…父上の……バカっ！！」
「親に向かってバカとは何ですか。直ぐに謝り……待ちなさいA！」
父上の呼び止める声を振り切り、長い回路を走った。寝夜近く皆が寝ているかもしれないのにバタバタと大きな足音を立てて。
「で、何で俺の部屋なんだ？」
「だって、思い付いた部屋が録嗚未さんの部屋だったんです」
扉の前で立ち尽くす私に呆れた表情の録嗚未さんだったが、入れと部屋の中に招き入れてくれた。
「殿との喧嘩の理由はなんだ？」
「私が……寝る前に甘いモノを食べようとして。それで父上が虫歯になるから駄目だって、」
「今すぐ帰れ。下らない親子喧嘩に俺を巻き込むな」
「下らないって何ですか！」
「どう考えても下らないだろ。お前は少し子供過ぎる。殿は殿で過保護過ぎな気もするが」
正論を言われ落ち込む私に、「ほらよ」と差し出された茶菓子。どうしてと見上げれば、録嗚未さんは目を逸らした。
「殿が過保護になる気もわからない訳ではない。お前はか弱く、一人にさせると何をしでかすかわからない時がある。心配だから、殿もつい口うるさくなるのだろう」
「じゃあ、父上が私にうるさいのは心配だからですか？」
「そうだ。殿に限らず、俺も他の奴らもAの事は、」
「私のことは？」
「いや、何でもない。それを食べたら殿の元へ帰れ」
言葉を濁した録嗚未さんは、寝台へと腰を下ろした。私は手渡された茶菓子に視線を落とし、次に録嗚未さんを見つめる。
「なんだ？」
「録嗚未さんも甘いモノ好きなのかなって」
「別に好きではない」
「好きではないのに…？」
「お前が好きだと聞いたから…。その、Aがいつ俺の部屋を訪ねてきてもいいようにだな…。」
「私の為に？」
嬉しくて、録嗚未さんの隣に腰を下ろした私に
「な、なぜ隣に座る？」
「優しくて私を気遣ってくれる録嗚未さんが好きだから」
「好きなどと、容易に口にするな。そこに恋愛感情がなくても勘違いする男もいるだろう」
甘いモノを口一杯に頬張りながら美味しいですと録嗚未さんに言えば、ぽんぽんと私の頭を撫でてくれる大きな手。
幸せの時間は部屋をノックする音で終わりを告げた。
訪ねてきたのはきっと……父上だろう。
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まどか - 本編のほうのパスワードを教えてください。 (2022年8月3日 18時) (
レス) id: 424ebb80af (このIDを非表示/違反報告)
ニャンコ(プロフ) - 唯一無二の貴方２がみたいのでパスワードを教えて下さい。 (2022年7月30日 19時) (レス) id: 42086511e3 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - あおさん» リクエストありがとうございます。那貴は今まで書いたことないキャラです。大人な雰囲気があって格好いいですよね。余り感情を表に出さないキャラだと思いますが、主人公と二人きりだとデレてくれたら…そのギャップに萌えそうです笑。番外編で待ってくださいね！ (2020年3月5日 20時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - 初めまして、コメント失礼いたします。遅ればせながらbluemoon様の作品を楽しみに日々生活させて頂いております！リクエストさせてください！大好きな那貴のお話書いていただけたらな、、と思っております！是非お時間あればお願いしたいです^_^ (2020年3月5日 1時) (レス) id: 78f704a63d (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - とりけらとぷすさん» 私も輪虎は書いていて楽しいキャラでもあります。無邪気で子供みたいな性格が可愛いなと想像しながら、毎回書かせていただきました。リクエストありがとうございます！番外編2の方でお話しを書きたいと思います。待っていてくださると嬉しいです(^-^) (2020年2月19日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2019年7月20日 9時
