374.挨拶もそこそこに ページ38
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「いやぁ…どうしてもAが俺の側を離れたくねェって言うから」
「……嘘だな」
「ああ、絶対に嘘だ。Aは信にそんなこと絶対に言わねぇ」
「お前らあの場にいなかっただろうが！」
あの場とは、政と信で話していた時のことだろう。政は戦場に行く事を許してくれた。あまりにいい意味であっさり過ぎて…もしかしたら政は気づいているのかもしれない。
私がこの世界に飛ばされて来た事も
私に与えられた力の事も
「なぁ、Aが政に言ってた包み隠さず話せって言葉、」
「それ以上、Aに近づくな」
「王賁さん！？」
「久しいなA。元気にしていたか？」
「あ、はい…。王賁さんは？」
「ああ、見ての通りだ」
私に柔らかい表情で微笑んだ王賁さんは、鋭い表情に変わり信の喉元へと槍先を突きつける。互いの陣営同士がざわつき始める中、信の挨拶を「退け」と王賁さんは遮った。
「どかねェ」
「お前らは頭数でここに呼ばれただけだ。実力などと、勘違いするな」
「カカ、冗談もつーじねェ相手だな、」
和やかに…とはいかないのが信と王賁さんだ。この場にいたのが蒙恬さんなら、こんな状況にはなっていない。
「信…っ！」
王賁さんの槍が信の頬を掠めたのが合図だった。馬上から本気で打ち合う両者に、誰も止めに入れない。声で制する事は出来ても、二人の中に割って入る事が出来ないのだ。試し合いなどではなく、本気の打ち合いだから。
押され気味の信が隙を狙って打ち込んだ一撃に、二人とは違う剣の音が辺りに響く。速すぎて見えなかった。そもそも両者の剣を同時に受け止めるなんて…。
「そこにいるのはAか？」
「…騰さん…！？」
「暫く見ないうちに大きくなった。私を名前で呼ぶのではなく、いい加減父上と呼んだらどうだ？」
「そう言う訳には…」
父上の側近だった騰さん。久しぶりに会ったのに、昔と変わらず冗談ばかり言って掴みどころがない。でも、父上亡き後も私を心配し王宮に度々書簡が送られてくる。「元気にしているか？」「男を誑かしてはいないか？」と、余計な心配もしてくれるけど…。
「待っていたぞ二人共。それと、娘のAをかけて争うのはやめておけ。お前達どちらか二人に嫁がせるのを、私は許す気はない」
それで争ってたんじゃないのに…。
変な水の差しかたするんだから
375.あの時をもう一度 ◆→←373.決意と約束 政side
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ゆずぽんず(プロフ) - 続き、楽しみにしてます。 (2月25日 22時) (
レス) @page50 id: 25d2c56152 (このIDを非表示/違反報告)
ナタデココ(プロフ) - 本当に続き楽しみにしてます( *´꒳`* ) (11月30日 7時) (レス) id: bb115dbd7a (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ(プロフ) - こんにちは、コメント失礼致します。シリーズ全て読ませて頂いています！相変わらずお話が面白くて感激しました…！続編楽しみにしています！！ (2023年4月23日 23時) (レス) @page50 id: 3d6874678d (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - ９、楽しみにしています (2022年12月6日 16時) (レス) @page50 id: 9084a50d79 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - Ayuさん» 初めまして。コメントのお返事遅くなり申し訳ありません。私もキングダムに出会えて、この作品を作るまでになりました。更新頑張りますね！お時間ある時にでもまた遊びに来て頂ければ幸いです。コメントありがとうございますね。 (2022年10月5日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2021年1月10日 13時
