313.二十日目。1 ページ25
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楚軍を密かに函国関裏門に送り込んでいた媧燐将軍。兵の数は五千と少ないが、集められた兵は楚国直下の精鋭部隊。すでに先の戦いで多くの兵を失った秦軍は、疲弊した背を狙われる事により統率は崩れる。楚軍は魏軍と手を組み門を守っていた岩を引きずり出そうとした。
援軍など来るわけもなく、無情にも開門される様をただ見てる事しか今の秦兵には出来ない。固く閉ざされた門が開き敵が雪崩れこんだ時には、秦国はここで終わりを告げる。
そこに、突如として山を駆け下りてくる大軍。風に揺れる旗は王の文字。ここにいるはずのない王翦将軍の出現に、あっという間に敵軍は呑まれていった。
成功するはずの函国関陥落は、王翦将軍の手によって守られた。
これにより敵軍は足止めをくらい、全ての合従軍が開戦前の位置まで退却した。
「信、藨公将軍の姿を見失うなよ！」
「言われなくともわかってるよ！ったく、あの将軍化けモンか？酒は浴びるほど飲むは、それでも次の日にはケロっとしてて。俺らより体力ありすぎだろ！」
「そんなに凄い人だったの？」
「お前も覚えてるだろ？蛇甘平原で俺と一緒に初陣をかざった時の将軍。あん時の将軍が藨公将軍だ。お前は途中で気を失って王騎将軍に連れてかれたから、覚えてないかもしれねェけど」
馬を代えると藨公将軍の指示により、しばしの休息。ゴクゴクと喉を鳴らしながら水を飲む私の姿を、信は何か言いたげに見つめていた。
「あの…なんで見てるの？」
「いや、なんつーか。その…、」
「信も飲みたい？」
「そうじゃなくて……お前は好きな奴いるのかよ？」
「好きな人…？」
「やっぱいい！今のは忘れてくれ。お前の口から別の男の名前聞きたくねェし」
一人問題を解決した信は、行くかと座っている私に手を差し出す。私が握り返したのを確認すると、勢いをつけ引っ張った。その反動でバランスを崩した私は、信に抱きつくような状態に。
「っ…あん時、やっぱ抱いとけばよかった。藨公将軍が邪魔したから、」
「なんだ小僧。皆の前でも我慢できぬとみえる」
「藨公将軍！？」
「全てはこの戦を終わらせてからにせぬか。その後は煮るなり焼くなり、小僧の好きなように女を抱けばよい」
もう少しで奴の背に追いつくと、意味深な藨公将軍の言葉。奴の背とは一体誰のことか。
それにしても煮るなり焼くなりって…される私は不安だ。
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bluemoon(プロフ) - イルカさん» コメントありがとうございます。推しが同じ読者様に会えて嬉しいです。花嫁本編では王騎将軍の救済ルートを避けてしまったので、中編集で幸せになっていただきたいと思います。王騎将軍とのお話久しぶりに書く気がします。まずは花嫁8ですね。頑張ります！ (2020年12月27日 8時) (
レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
イルカ - 私は王騎将軍オシなのですっごく楽しみです！！シリーズ8も楽しみにしてます。 (2020年12月26日 23時) (レス) id: 4dcbd5d17d (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - ノンさん» テストお疲れ様でした。アニメ楽しみですね！どんな声優さんが演じてくれるのか、情報を解禁されるのもワクワクしますね。私ももう少しでお仕事が長いお休みに入るので、更新頑張ります！作品に遊びに来ていただいてありがとうございます。 (2020年12月21日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
ノン - 執筆活動お疲れ様です！！無事にテストが終わりゆっくりできる時間が出来たので小説を読みに来ました！これからの展開が楽しみです！春にはキングダムのアニメ3期も再開されるので今からキングダム熱を上げています笑笑 (2020年12月21日 17時) (レス) id: a804f7d386 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - Tomoyoさん» お久しぶりです。三連休ですか、いいですね。明日から私はまた仕事です…。時間を見つけてこれから更新頑張りたいと思います！コメントありがとうございます。 (2020年11月22日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2020年6月20日 15時
