32.お誘い。 ページ32
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「政も顔色良くないよ。もう少し休んだ方が、」
「気遣ってくれてすまない。だが、合流地まではもう少し」
少しの休憩をしては、長い距離を走る。山を下り、森を抜け、川を渡り。私達には同じような景色に見えても、政には合流地への道がわかっているみたい。
「Aこそ無理はするなよ」
「はい…。」
「お前は頑固なとこがあるから、時々心配になる。素直じゃないお前もそれはそれで魅力的だが、くれぐれも無理だけはするな」
「王様って、なんか好きなモノに対して真っすぐだよな？」
「けっ！あんなヤツ見た目がいいだけで、無表情だし。なんも面白くもねェ」
「信、ヤキモチ妬いてんだろ？」
「生意気な事を言う口はこうしてやる！」
「いだだだ…！」
「信、貂を苛めるのは止めなさい」
信に頬をつねられていた貂が、涙をためて私の元に逃げて来た。
ことあるごとに貂にちょっかいかけて、「怒るよ」と頬を膨らませて睨む私に
「怒るよって…その顔全然怖くねェから。むしろ、」
「可愛らしいの一言につきる」
「おい、政！俺の言葉取るんじゃねェ！」
「はぁ…。あの、政。合流地ってどんなとこ？」
「今では知る者もいない。４００年前の秦王の隠れ避暑地だ」
「こんな山ん中に避暑地なんてつくったのかよ。奇特な王だぜ」
確かに大変な場所にあるとは思うけど、敵の目を欺く為の場所としては都合が良さそう。安全な場所だから昌文君さんはこの合流地を選んだと思う。
休憩が終わり歩き出そうとする政が、不意に足を止めた。何かを警戒するような素振りでじっと森を見つめている。
「政？どうかした？」
「いや、何でもない」
「そう…。」
「避暑地についたら中を案内してやる。たまには、誰にも邪魔されずにお前と二人きりになりたい」
「え、」
「俺の体調を気遣うなら、癒してくれるか？お前に俺の誘いを断る理由はないだろ？」
歩き出した政が私の横に並ぶと。
耳元で、そう囁いた。
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ノア - 初めまして、この作品の王騎様と夢主の絡みが好きで毎月読み返しておりました。読み手に戻られることを考えていらっしゃるとお伺いしましたが是非とも見れる形に残しては頂けないでしょうか。毎回癒されながら拝見させていただいておりました。 (2022年8月3日 21時) (
レス) id: c471de6204 (このIDを非表示/違反報告)
( ´ω` )/(プロフ) - おもしろかったです。続きは見れないんですか？ (2022年7月31日 9時) (レス) id: 16f8a40083 (このIDを非表示/違反報告)
i05x09(プロフ) - 突然すみません。とても面白くて読み進めていたのですが、続きはもう読めないのでしょうか…？ (2022年7月30日 19時) (レス) id: a85be77842 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - 凌さん» 160�兪宛紊塙佑┐討�話し書いています。ですが、読者様のお好きな設定で読んでいただければ。コメントありがとうございます。 (2020年7月4日 10時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
凌 - 主人公の身長はどのくらいですか？ (2020年7月4日 7時) (レス) id: 0f75895f1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2019年4月28日 0時
