17.優しさ。 ページ17
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「大王様脱出の手立てはすでに済んでおります。ここからは別行動で合流地点である場所を目指しましょう！」
「わかった。A、俺と共に付いて来い」
「え…私も？」
「当たり前だ。反乱を起こしたのは王弟派。ヤツは下賤の者の血を嫌う。その下賤の者の代表でもある俺に関わったヤツは、女子供であろうが容赦はしない。晒し首に処されるか。そうだな…お前ぐらいの見た目も悪くなく若い女なら大臣共の夜の共として、一生飼い殺しにされるだろう」
「いっ、一生！？そんなの冗談じゃない！」
「なら、俺に付いて来い」
大王様の言葉に悩むまでもなく頷いた。
「では、大王様。我々は先に立ちます」
「あのっ、漂は？漂は大丈夫なんですよね？大王様の身代わりでこれから戦に出るんですよね？」
「漂は既に御車にて待機しておる。安全な道を確保し、反乱の刃が王に届くことはない」
それを聞いて安心した。
でも、大王様は何かを考えているような。難しい表情で昌文君さんを見ていた。
「道中どうかご無事で」
「お前もな。昌文君」
昌文君さんはガチャガチャと甲冑の音を鳴らしながら、漂の待っている元へと走って行った。
「ぐずぐずしてる暇はない。俺達も行くぞ」
「あ、はい」
「ここからは舗装されていない抜け道を行く。足元に注意しながら歩け」
先の見えない暗い道。歩いても歩いても一向に外に出る感じがしない。静まり返った空間に私と大王様の荒い呼吸だけが聞こえて。ずっとこのままだったらどうしようと不安になった。
「少し休むか？女のお前にはきつい道のりだろう」
「いえ、大丈夫です…。」
「気丈に振る舞うのは構わんが、無理は禁物だ。休める時に休んで、」
「本当に大丈夫ですから…！」
早くこの暗闇から解放されたくて、私の体を気遣ってくれる大王様に強く当たってしまった。
「そうか…。」
「すいません。大声なんか出して、」
「構わん。不安になると感情が乱れるのは、何もお前だけじゃない」
「大王様？」
不意に握られた手。私よりも大きくて、とても温かい。
「ここを抜けるまで、暫く繋がせてくれ」
もしかして私の不安を和らげる為に…。
「ありがとう…ございます。その、」
「礼には及ばん。俺がただお前と、手を繋ぎたかっただけだ」
優しい言葉がその気遣いが、胸に染みた。
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ノア - 初めまして、この作品の王騎様と夢主の絡みが好きで毎月読み返しておりました。読み手に戻られることを考えていらっしゃるとお伺いしましたが是非とも見れる形に残しては頂けないでしょうか。毎回癒されながら拝見させていただいておりました。 (2022年8月3日 21時) (
レス) id: c471de6204 (このIDを非表示/違反報告)
( ´ω` )/(プロフ) - おもしろかったです。続きは見れないんですか？ (2022年7月31日 9時) (レス) id: 16f8a40083 (このIDを非表示/違反報告)
i05x09(プロフ) - 突然すみません。とても面白くて読み進めていたのですが、続きはもう読めないのでしょうか…？ (2022年7月30日 19時) (レス) id: a85be77842 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - 凌さん» 160�兪宛紊塙佑┐討�話し書いています。ですが、読者様のお好きな設定で読んでいただければ。コメントありがとうございます。 (2020年7月4日 10時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
凌 - 主人公の身長はどのくらいですか？ (2020年7月4日 7時) (レス) id: 0f75895f1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2019年4月28日 0時
