私の彼氏はヒモなんで。2【TH】 (ページ7)

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「ヌナ…もう寝ちゃった？」

『まだだよ…』

「一緒のお布団で寝てもいい？」

『一緒に…？』

テヒョン君に背を向けて寝ていた私は、後ろで体を起こす音が聞こえてきて、テヒョン君の方へと体を向けた。

『いいって言う前から入ってきてるじゃない…』

「だって…ヌナと離れて寂しかったから…。ヌナは俺と離れていて寂しくなかったの？カトクの返事もそっけなかったし、電話もすぐに切っちゃったから…」

『それは…』

仕事に追われて、なんてことは言い訳で。
本当は、ずっと「あの人」の事が頭を離れなかった。

職場で会ったら、どうしようとか。
もし会話をしたら、どう返そうとか。

そんな私の思いはすれ違って、職場で彼に会うことはなかった。

「今日ね、ホソクさんに色々教えてもらったんだ。ペロペロキャンディーの種類も増えてて、俺のためにホソクさんが増やしてくれたって」

『食べすぎたらダメだよ』

「うん。でね、学生の女の子達に店員さんかっこいいねって言われて。SNSで写真アップしてもいいですかって言われたんだけど、ジョングクに絶対断るようにって言われてたから、俺断った。握手はいいよって言ってしたんだけど、それを聞いたジョングクが明日からはそれもダメですって。なんか約束多くて、俺覚えらんない」

『ジョングク君は心配性だね』

私のベッドに入ってきたテヒョン君は、今日あったバイトでの出来事を話してくれた。ホソク君が側にいてテヒョン君の面倒を見てくれるなら、心配することはない。

「俺…ヌナのことも心配だよ」

『どうして？』

「何かあったんだよね？ヌナの元気のない理由。仕事以外で何かあったの？」

『何もないよ』

「何もないなら、俺を見てくれる。例え俺を見ていてくれても、ヌナの気持ちはここにはない。ヌナは、今誰を想ってるの？俺が側にいるのに…ヌナ俺だけを見てよ。誰かを想ったりしないでよ…、ヌナのこと考えると俺の胸が痛い、苦しいって泣いてる。気持ちが一緒なら、こんなに心が痛くならない…。ヌナが俺を想ってくれないと……イヤだ…」

私の胸に顔を埋めて甘えてくるテヒョン君の背中を優しく摩る。いつもなら躊躇いがちに甘えてくるのに、今日はいつもとは違う。

隠すことが、テヒョン君の為になるのだろうか。
隠すことで、繊細なテヒョン君の心を余計に傷つけたりしないだろうか。

本当は、全て知って欲しいと思っているのは、自分なんじゃないだろうか。