私の彼氏はヒモなんで。2【TH】 (ページ20)

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『ジミン君達は…？』

「やることがあるって帰った。それよりヌナ、ご飯食べよう」

『なんか揉めてる声が聞こえてきたけど、どうしたの？』

「ヌナの下着のことで、」

『え…』

今私の下着がどうとかって…。

「ううん、なんでもない」

テーブルに並べられたお皿にはロールキャベツ。
これはジンさんが作ってくれたものだろう。

その横には形が不揃いのテヒョン君お手製の野菜サラダ。
「一緒に並べられると…俺の目立つね…」と、落ち込むテヒョン君の髪を撫で

『愛情はいっぱい詰まってるんだよね？』

「うん！たくさん入ってる。お皿から溢れて落ちないか俺心配だけど、ヌナ口開けて」

『テヒョン君が食べさせてくれるの？』

「そうだよ。いつもヌナが俺にしてくれるように、今日はヌナが俺に甘えて。好きな人に甘えると幸せな気持ちになれるんだ。だから今日はヌナが俺に甘えていいんだよ」

おいでと両手を広げて待っていてくれるテヒョン君に近づき、躊躇いがちにテヒョン君の太腿へと腰を下ろした。「ヌナ、いつもの俺みたい」と耳元で笑うテヒョン君。

甘えさせる側と甘える側。
今日は立場が逆転。

「ヌナ、お口あーんして」

『なんか…恥ずかしいね…』

「はずかしくないよ。俺、毎日でもヌナにあーんしてもらいたいもん。それでぎゅっと抱きしめてもらいたい。一緒にお風呂も入って、一緒に寝て…それから…ヌナと…」

最後の言葉をテヒョン君は濁していたけど、赤い顔をして私の腰に手を添える仕草に、いつかはそんな関係になるのも悪くないかと思う。雨の中私を見つけて駆け寄ってきてくれたテヒョン君は、普段よりも大人に見えて、私にかける言葉は頼もしかった。

だからテヒョン君のキスを素直に受け入れられた。
流されたんじゃなく、テヒョン君の唇に惹かれて。

「ふーふーしてあげるね」

スプーンに乗せた一口サイズのロールキャベツに、テヒョン君が頬を膨らませて息を吹きかける。唇に付けて「まだ熱いかなぁ…」とまたスプーンを離しては息を吹きかけて。

『もう熱くないんじゃないかな？』

「そうなんだけど…俺、羨ましくて…」

『羨ましい？』

「ヌナにおいしく食べられるロールキャベツにも嫉妬してる…」

それが理由で中々食べさせてくれないのか…。
なんか可愛い。

「ヌナ、俺のことも食べてくれる…？」

今すぐには…と誤魔化しテヒョン君の持っているスプーンを口に持っていった。