61 HSside ページ12
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「なーんか学生のお客さん多くなったね。それも若い女の子中心に」
「お客さんいっぱいで俺楽しい！話してると色んなことおしえてくれるよ」
なんて言ってるそばから女子高生が「すいませーん」と俺達を呼ぶ。
「テヒョン君行ってあげて」
「俺が？」
「テヒョン君目当てで呼んでるんでしょ…このパターンは何度も経験済みだから」
この商品は新発売ですか？って、見ればパッケージに書いてあるよね？
このお菓子の違う種類はありますか？って、棚に置いてなければないはずだよね？
なんか呼びつける内容が、どう考えても商品目当てじゃなくて。
むしろテヒョン君目当てな気がする。
別にいいんだけど、俺が行くとがっかりしたような表情するのは、逆に俺に失礼だろ！
「これね、俺のオススメのペロペロキャンディー。美味しいよ」
「でも…値段がちょっと高いかな…」
「わかった。ちょっと待ってて！」
お菓子コーナーから聞こえてきたちょっと待ってて発言。
絶対にこれは、嫌な予感。
「ホソクさん、ペロペロキャンディーの値段安くしてもいい？」
「ダメです」
「どうして？だってあの子達高くて買えないって、かわいそうじゃん。こんなに美味しいのに食べれないのは、かわいそう…」
「そんなことばっかしてると、俺のお店の経営が可哀想なことになるの。わかったら商品を棚に戻す。そんでもってお客様には、お財布に優しいお菓子をオススメしてきて」
「はーい…、」
テヒョン君のシュンとした表情に、思わず今回だけだよって言いかけた言葉を飲み込んだ。ヌナと一緒でついテヒョン君を甘やかせてしまうとこだった。
これがテヒョン君の魅力か。
幼いテヒョン君恐るべし。
「ありがとうございました！また来てくださいねー！」
元気な声にお客様に笑顔で手を振るテヒョン君。
社会経験ないなんて言ってたから初めはどうなることかと思ったけど…。
「テヒョン君、意外と接客業向いてるんじゃないかな？未経験の割にはお客様に対する態度も良いと思うよ」
「ほんと？」
「うん」
「あ、でも俺…まだ経験不足だからこんなんじゃぜんぜんダメ」
「どこが？」
「だって…ヌナとはまだ未経験だから。俺早くヌナとシたい」
経験不足の意味が…。
ナムジュナに送ったカトクには、テヒョン君は「色んな意味で異次元」と送信。
帰ってきたナムジュナからの返信は「？」だけ。
そりゃそうだろう。
実際にテヒョン君に会って見ればわかることだ。
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2021年3月7日 13時
