卒業したら…。1 JEONGHAN ページ26
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「また補習ってな…。お前、コン先生の時だけ寝るのなんで?」
「偶然?仕方ないだろ、あの先生少しぐらい目を瞑ってくれてもいいのに、ほんと補習好きだよな」
「何が補習好きだよな、だ。俺にはお前が故意に寝てるとしか思えないけど」
スンチョルの読みは当たってる
俺が故意に先生の授業の時間だけ狙って寝ていることも
「だとしたら何だよ?」
「いや…、なんて言うか噂知らないのかなぁと思って…さ」
「いいから帰れよ」
何か言いたげなスンチョルの背中を押し、俺は無理矢理教室の外へと追いやった。
「何が噂だよ……そんなもん、全部知ってる…」
ドアにもたれ掛かるようにその場に膝を抱えて座った。固く冷たい床の感触。吐き出す溜め息すら白く変わる。しんと静まり返った教室に、鼻をすする音がやけに大きく聞こえて、それで自分が泣きそうになっていることに気づいた。
『ごめんユン君…!』
勢いよく教室のドアが開いて、ドアにもたれていた俺はその衝撃で後ろへと倒れた。間抜けな体勢で天を仰ぐ俺を、先生が大丈夫と覗き込む。
「へ、平気…」
『そう?どうしてここに居たの?』
「そう言う気分だったから…」
そう言う気分が、ひっくり返った状態だってなら笑える
恥ずかしくて、先生から逃げるように自分の席へと座った
「A先生…遅刻です…」
『会議が長引いたの。それよりも補習の課題は終わった?』
「余裕で」
『余裕…ね。じゃあプリント見せてもらおっかな』
机の中から取り出したプリントを先生に渡す時、ワザと先生の触れるだろう部分に手を置いた。俺の思った通りの場所に先生は触れ、何もなかった顔で問題に目を通している。
お互いの手が触れて、俺はドキドキしてるのに
先生は平然とした顔
『毎回思うけど、問題の答えは全問正解。私の授業がわからないとか、そういう訳でないんだよね…?退屈で眠ってしまうって言うなら、授業のやり方他に考えて、』
「必要ない…」
『でも、補習続きは…クラスメートの目もあるし。今後のユン君の進路査定にも響いてくるかもしれない』
「別に俺は他の奴らにどう思われてもいい。進路がどうとか、俺の人生なんだから。それよりもA先生と…二人で過ごす時間が俺には必要」
『ユン君、私は先生で君は生徒。私を名前で呼ぶのはやめなさい』
俺を怒る先生の声が、教室に聞こえた。
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作者名:bluemoon | 作成日時:2021年1月31日 21時