マンネ同士。１ DINO ページ17
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「え、Aヌナが来てるんですか！？」
「さっきバンタン先輩の楽屋に入って行くとこ見たけど」
僕の頬を摘んでは引っ張って遊んでいたホシヒョンの手を乱暴に退けて、僕は楽屋を出て行こうとする。
「ノディ、ヌナは先輩達のメイク担当になったんだからな。いつまでも追っかけなんかしてるなよ」
「わかってます…ただ挨拶に行くだけです…」
ホシヒョンの言葉にムスッとしたのは本音で。
でも、久しぶりにヌナに会えるのは嬉しい。
「ヌナ、何か飲みますか？」
『もしかしてジョングク君が奢ってくれるの？』
「はい。ヌナの好きなモノなんでも言って下さい。もちろんこの自販機の中のモノでお願いします」
『ふふ、わかってるよ』
廊下を曲がった休憩所に、ヌナともう一人男の人の声。
ジョングク…。
黄金マンネと呼ばれている、チョン・ジョングク先輩。
アイドル陸上大会や歌謡祭などですれ違っては挨拶を交わす程度で、ちゃんと話したことはない。マンネの立ち位置で、ヒョン達から可愛がられてるのは同じだけど。
『あれ、ディノ君？』
「ヌナ…」
廊下で立ち止まっていた僕に気づいたヌナが、おいでと僕に手招きする。
僕に気づいてくれたヌナに、嬉しくて自然と口角が上がってしまった。
「ヌナ、知ってるの？」
『前はSEVENTEENのメイク担当だったから。ディノ君久しぶりだね』
「お久しぶりです。ヌナ元気にしてましたか？」
『元気が私の取り柄みたいなもんだから。それよりもディノ君、ここ寝癖付いてるよ。セットしたのに寝ちゃったのかな？」
「あ…、そうです…」
ヌナの指先が跳ねた僕の髪を優しく摘んだ。
髪に触れられただけなのに、恥ずかしくて。
「ヌナの好きなミルクティー売り切れてます」
『そんなぁ…』
「いつもみたいに、俺の半分でよかったら飲みますか？」
『いつもみたいに？私ジョングク君からもらったことあったかな…』
「ヌナが忘れてるだけです。それにヌナと俺の好み似てるし」
なんか…チョン先輩の僕を見る目が怖い。
いつもみたいに、好みが似てると強調してくるような言い方。
何より、ヌナの腕を掴んで僕から引き離そうとしている。
「僕もヌナの好み知ってます。ヌナが僕らのメイク担当してくれてた時、一番ヌナの側にいたの僕でしたから」
よせばいいのに、チョン先輩の機嫌を損ねるような挑発的な言い方を、僕はしてしまった。
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2021年1月31日 21時
