【SVT】for you。2 (ページ16)

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ふわり、桜。３ページ16

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「ヌナ、寒くないですか？」

『大丈夫。ウジ君は？』

「こう見えても俺、体は丈夫ですから」

『でもウジ君に何かあったらファンが悲しむよ。冷え込む前に帰らない？』

「もう少しヌナと二人でいたいです…。ヌナも…俺に何かあったら悲しんでくれますか？」

不思議な魔法にかかったみたいに、今日の俺は積極的だ。
この日をきっかけに、ヌナにもっと近づきたいと思ってる。

『もちろん。ウジ君だけじゃなくて、他のメンバーであっても、』

「俺だけ特別扱いして欲しい……ヌナにされたい。スニョンを名前で呼んでるように、俺もジフンって呼んで下さい」

『私なりに特別扱いしてるつもりだよ』

「どう言う事ですか？」

ヌナに特別扱いされてる理由が思いつかない。
いつも俺ばかりヌナを目で追ってたから。

もしヌナに特別扱いされてるって言うなら、それに気づかないほどに俺は鈍感なんだろうか。

『お気に入りのこの場所に連れてきたのも、ウジ君が初めて。二人だけで来たいなって思った相手もウジ君だけ』

「ヌナ…」

俺を見つめているヌナの視線に気づいて、俺もヌナを見た。
ヌナは赤い顔をしていて、慌てて俯いてしまう。

ここまできて、期待するなって無理だろう。

ふわりとヌナの髪に桜の花弁が落ちてきた。

「ヌナの髪に花弁が…俺が取ってもいいですか？」

『うん…』

伸ばした手はヌナの髪に舞い落ちた桜へ。
もう一方の手は、ヌナの頬へ。

『ウジ君…？』

「ジフンって呼んで下さい」

『………ジフン君』

「ここにも綺麗な桜があるから。触れてもいいですか？」

『え、』

ヌナの返事を聞かずに、触れたのは柔らかな唇。
チュッ、と音を奏でて離れて。
もう一度キスをする。

「俺…ヌナが好きです」

桜色した綺麗な唇。
ヌナと初めて交わしたキスは、満開の桜が咲く公園だった。