【SVT】for you。2 (ページ11)

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嫉妬。　JUN ページ11

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『ジュナ、反省してる？』

「してるよ！勝手にチョコ食べてごめん…」

『はぁ…もう、せっかくのサプライズが台無し』

「でも、僕にくれようとしてたチョコだよね？食べても問題ないんじゃ…」

僕の言葉に、キッと睨みつけてくる彼女。
本当に反省してます…。

Aが前からバレンタインの為にと、チョコの練習をしていた事も。
可愛いラッピングや、メッセージカードを用意していた事も。

『ジュナだけの分じゃなかったのに…全部食べちゃうとか…』

「だってさ…」

『また初めから作り直さなきゃ…。時間ないのに』

「そしたら…僕また全部食べるから」

『どう言うこと？』

不機嫌な表情の彼女が、僕の言葉にキッチンへと行く足を止めた。
反省してないの、と僕を責める。

してるよ。
ちゃんと、反省してる。

でも、僕がAのチョコを全部食べてしまうのには理由がある。
それに気づかないAに、僕は頬を膨らませた。

『どうしてジュナが怒るのよ。勝手にチョコ食べるジュナが悪いんでしょう？』

「理由知らないくせに…」

『理由…？』

「Aは僕の彼女なのに、他の人にも手作りのモノ渡そうとする」

『それは…でも、ジュナには特別に、』

「違う！特別とか、特別じゃないとか、そんな事で僕が怒ってるんじゃない。僕は…Aが手作りしたモノを渡そうとするから、それが嫌で。Aに、僕と同じような扱いされてる人が他にもいるのが嫌なんだ…」

Aは僕の彼女だから。
そこに気持ちはなくても、Aに手作りされたモノを渡される。

そんな些細なことにも、僕は嫉妬して。

『だからチョコ全部食べたの？』

「そうだよ…悪い…」

未だに頬を膨らませている僕に、Aは笑う。
笑って、僕の頬を優しく両手で包んでくれる。

『ジュナ、チョコ買いに行くの手伝ってくれる？』

「A…手作りしない？」

『手作りしたら、またジュナが食べちゃうから』

そうだよ、って言えばAはまた笑った。

大好きな彼女には、僕だけ特別扱いされたいんだ。