【SVT】for you。2 (ページ2)

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本命は。　DINO ページ2

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「ヌナの手作りチョコだ！」

年長順に配られるヌナからの手作りチョコ。
末っ子の僕は必然的に最後になる。

ヒョン達の嬉しそうな顔。
密かに淡い恋心をヌナに抱いてる僕も例外じゃない。

『これで全部かな？』

「あ、あのっ！僕…もらってないんですけど…」

「マンネのイディノにはチョコはまだ早いみたいだ」

スングァニヒョン…後でシメる。

僕がきっと睨みつけると、「歌のリハに行くか」とスングァニヒョンはそそくさと楽屋を出て行った。それに続けと他のヒョン達も楽屋を出て行く。

で、残されたのは僕とAヌナの二人だけ。

「本当に僕にチョコはないんですか…？」

『ディノ君ごめんね…』

謝って欲しい訳じゃない。
ヌナを責めたい訳じゃない。

どうして、僕だけにチョコがないのか。
僕はそれが知りたかった。

「義理でも…僕ヌナからのチョコが欲しかったんです…僕のこと弟みたいだとヌナは思っていても、僕にとってヌナは慕っている女性で。ヌナから貰えるものなら何でも嬉しかったのに…」

そんな些細な僕の願いもヌナは気づいてくれない。
一方的な片想いだって、わかってた。

わかってたのに、いざその事を突きつけられると、狼狽えてしまう。

「すいません…今の言葉忘れて下さい…。僕、ヒョン達の所に行きますね」

楽屋を出て行こうとする僕の背中を、包む温もり。

フローラルな甘い香り。
僕の好きなヌナの香水。

「ヌナ…」

『意地悪してごめんね。みんながいる前では特別扱いできないから』

「それって…」

『ディノ君には本命チョコ用意してる。その意味わかる？』

「っ…！わかりますけど……確認させて下さい」

僕を抱きしめてくれるヌナの手からすり抜け、今度は真正面でヌナと向き合う。ヌナは『直接言うのは恥ずかしいのに…』って、僕を後ろから抱きしめたのは、そう言う理由があった。

「ヌナは僕の事が…好きなんですか？」

『うん…』

なんだ、ヌナは僕の事が好きだったんだ。
惑わされて、焦らされて。

僕を騙していたヌナに、今日はたくさん甘えよう。