60.密会、目撃 ページ15
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『善逸…?』
「A…!うわああん、俺ここまで来るのめちゃくちゃ怖かった!!」
『ちょ、ちょっと落ち着きなよ』
夕食を終え、累の目を盗んで外へと抜け出した。抜け出した理由は庭の木に善逸の鎹雀チュン太郎が止まっていたからだ。訴えるように泣きながら飛び回り、善逸の身に何かあったんじゃないかと心配になった。
「グスッ…、修行から、ヒック…か、帰ったら…っ、お前がいなくて…」
『何も言わずに出て言ってごめんね…』
「心配で、心配で…、俺っ…お前がいないと…、」
『善逸泣かないで。ほら、顔拭いてあげるから』
「うっ、うん…」
しっかりしなよ!と怒る事も出来ない
善逸には甘くなってしまう
小さな子供みたいに泣きじゃくる善逸は、私が手ぬぐいで頬を拭いてあげる時も大きな目からポロポロと涙を溢す。これじゃ拭いてる意味がない…なんて苦笑しながらも、怖がりな善逸が一人で私を探しに来てくれたと思うと、強い態度は出来ない。
「A…今日の格好…」
『たまにはお洒落して息抜きしてみたらって、柱の方が着付けてくれたの。普段女の子らしい格好なんてしないから』
「出かける相手…なんで俺にしてくれなかったんだよ?」
『善逸は修行してたから、』
「俺には声かけずに弟二人で出かけるとか、俺だって…Aと二人で出かけたかった。俺が、お前のこと好きなの知ってるだろ?」
善逸は私の腕を掴むと、距離を縮めてきた。さっきまで泣いてたくせに見上げた善逸の顔は真剣で、時々知らない男の表情をする。幼馴染みとして過ごしてきた時間は長い。だから余計に気恥ずかしさを感じる。
『善逸、あのさ…』
「Aは俺のことどう思ってる?言っとくけど、幼馴染みとしての好きは聞き飽きた」
『善逸の事は…』
「密会とはな」
『煉獄さん!?』
「うむ、どうしたものか…」
どうしたもこうしたも、仁王立ちの煉獄さんを前にして善逸は私の後ろに隠れる。私を盾にされても困る。私だって煉獄さんが何を言うか怖い。交流したのも数回、今日話していても感覚がちょっとズレていると言うか。
「俺は君の兄貴係だったな?」
『そうですけど…』
「では、兄として大切な妹の貞操は守らねばならん!付き合いもなく接吻をしようとした黄色頭の君」
「すいませんすいません…!!」
「それと、危機感のない妹のAには、男がどんな者か、その体に教える必要があるだろう」
必要がって……煉獄さん、私に何をしようと…?
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三月の専属ストーカーなつめみく - うあああああいいるいくん救済!!救済だあああ!!やったあああああ!ここのコメント欄の空気ぶち壊していくうううう!!てか面白すぎいいいい!もうね!設定が!神なんよ! (10月24日 9時) (レス) id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ - ありがとう〜♪続き待ってるね♪(*⁰▿⁰*) (2022年1月2日 18時) (レス) id: c4dfd681b0 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - アオイさん» アオイさんは多才な才能をお持ちなんですね。絵も描かれ、ピアノまで弾けるなんて羨ましいです。累君のテーマ曲、今度聴いてみたいと思います。更新の準備致しますね。千寿郎君と煉獄さんのお話からになりそうです。その様子に累君ヤンデレ化しないといいですけど(笑) (2022年1月2日 0時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
アオイ - まぁ、私の話は置いといt((無一「更新頑張ってね」 (2021年12月31日 23時) (レス) id: c4dfd681b0 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ - 累君は、ヤンデレも似合うしツンデレでも似合うなぁ〜って思うと、私 顔が真っ赤っかになるですwww.自分で描いた累君を見ると『可愛い///付き合いたい///エンジェルですか⁉あなた⁉』ってよく言ってて 累のテーマの曲をピアノで弾くとギャン泣きにいつもなってる (2021年12月31日 23時) (レス) @page10 id: c4dfd681b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:bluemoon | 作成日時:2021年9月28日 20時