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「ヌナ、熱いからふーふーして」
「あ、僕も」
「もう、二人とも自分でしてください。私、全然食べれないんですけど…、」
なんて文句を言いつつ、渡してくるお碗を受け取ってしまうのは、私の損な性格。面倒見がいいと言われても、二人は子供ではないのに世話をやいてしまう。
「Aちゃんの息がかかると、さらに料理が美味しくなるんだよね」
「じゃあ、ヌナとキスしたらもっと、」
「テヒョン君、ジンさん黙って食べなさい」
二人のやり取りに突っ込みを入れるのも正直疲れる。テヒョン君を相手にするだけでも労力を費やすのに、そこに疲れ知らずのジンさんも加わって。
「そんな熱い視線で僕を見ないでよ」
「見てませんから」
「またまた。その愛くるしい顔ですぐ男を虜にしちゃうんだから。ちなみに僕もAちゃんに虜にされたんだけどね」
「人聞き悪いこと言わないでください」
「事実でしょ？この間もAちゃんのアパート前ウロウロしてたイケメンがいてさ。僕が声をかけたら逃げるように行っちゃって。でも、見かけない顔だったな」
私のアパート前を…？
ユンギはジンさんと顔を合わせているし、ジミン君やジョングク君が来たとしたらテヒョン君が黙っていないと思う。私と面識のある男の人は少ないし…。
「あ、ヌナ。さっきの男の人誰だったの？」
「えっと……その、私のお見合い相手、」
「えええ！？なんでそんな大事な事僕に黙ってたの！僕とAちゃんの間に隠し事なんてないはずだよ？」
「隠し事だらけですけど…。」
「それはそうと、ライバルの顔は確認しとかないと。相手の写真は？あるなら、すぐに出す！」
命令口調に「出してくださいでしょ！」とジンさんを一喝。このやり取り、ユンギの時にもした気がする。
「……あれ、この人見たことある」
「え、どこで？」
「ほら、さっき僕が言ってただろ？アパート前ウロウロしてたイケメンがいたって。間違いなく彼だよ」
ジンさんの言葉に、偶然にしては出来過ぎてると言ったユンギの言葉が頭をよぎる。
どうしてシウさんが私のアパートを知ってるんだろう…。
「ヌナ…寒いの？」
「大丈夫だよ…。」
「でも、震えてる…。ヌナ、おいで」
青ざめた私の顔を覗き込んだテヒョン君が、「俺が側にいるから」と私の体を抱きしめ優しく背中を撫でてくれた。
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2020年9月19日 9時
