送りオオカミにご用心。【TH】 (ページ40)

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「テヒョナ、スタミナ弁当二つ！ジョングク君は色彩弁当三つお願い！」

注文を取りつつ、ジミン君はお客さんとのコミニケーションも忘れない。いつものと言われればお客さんが何を注文したいのか理解して、テヒョン君達に指示を出していく。人数捌きもさることながら、大勢いるお客さんの顔まで覚えてるのは、私からしたらすごいことで…。

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「ジミン君ってなんかすごいね」

「何ですか急に？」

「商売向きと言うか。ニコニコしてて人懐こいし、接客対応も的確で」

「あ、ありがとうございます…。なんか褒められ慣れてないから、少し気恥ずかしい気もしますけど」

ほんのりと赤くなった頬に照れ笑いを浮かべるジミン君は、アイスティーを一口。上目遣いで私を見てくる仕草が可愛い。

「テヒョン君大丈夫かな？」

「ジョングク君が一緒ですから」

「それもそうだね」

今日は配達の注文が多いからと、ジョングク君の手伝いに行かされたテヒョン君は終始渋い顔をしていた。私と一緒がいいと駄々をこねていたけど、仕事が終わったら部屋に来てもいいよと言うと、あっという間に姿が見えなくなった。

配達の料理を忘れてママチャリで爆走するから、ジョングク君が慌ててその後を追いかけて行った。

「お店いつからしてるの？」

「高校卒業してからですから…4年目になります。元々テヒョナのお祖母さんが経営していて、病で倒れてからはテヒョナが後を継ぐって。でも、ヌナも知ってる通りテヒョナは危なかしいから、それに料理だって苦手だし。だから、僕が手伝うことにしたんです」

「ジミン君は優しいだね」

「ほっとけなかったんです。テヒョナ、お祖母さんのことが大好きで。その大好きなお祖母さんのお店がなくなるって聞かされた時、大泣きして…。子供みたいに泣かれたら…ほっとけないですよね…。なんとかしてあげたいって思って。僕、料理作るの好きですから」

昔からテヒョナには振り回されてと、少しの嫌味とそれ以上にテヒョン君を包む大きな愛情。自分には関係ないと見て見ぬ振りもできたはずだ。

でも、それをしなかったのはジミン君が優しい人だから。