22 YGside ページ22
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初めはただの同僚だった。新人研修で一緒になり、配属先も同じ課。話してみると意外に面白くて、他の女とはどこか違って、Aの側は居心地がいい事に気付いた。
友達以上恋人未満。
そんな関係がずっと続けばいいと思っていた。
でも、何処かでその関係を崩してしまいたいと思う自分もいた。
好きだ惚れるなんて、軽々しく言っているからAは俺の本心に気づかない。それがもどかしくも、Aが俺の言葉に顔を赤くするのを見ては嬉しかったりもして。
「ユンギ…。」
「お前アイツに抱かれたのか?」
「違う。テヒョン君とは何も…、」
「だったらそのキスマークの意味答えられるよな?何もなかったなら、そんな場所に付くはずねぇよな?」
「それは…でも、私は本当に何も知らない…!」
「なぁ、気付いてるか?お前の体から…アイツの香りがすること。それが俺を不快にもするし。苛立ってお前をめちゃくちゃにしてやりたくなる」
いつもと違う俺の態度に怯えたような表情のAを組み伏せ、さっきよりも深いキス。顔を背けて逃げようとすれば、顎を掴み唇を開かせて舌を差し入れる。
「はぁ……ユン…ギ…っ…!」
息苦しさに眉間に皺を寄せ俺の胸を叩く手を掴み、もっと口内奥深くまで舌を入れては自分の思うままに動かした。片手でAのブラウスのボタンを外しにかかる途中で、タイミングよく鳴る着信音。
Aのポケットから取り出した画面には、テヒョン君と表示されていた。
「……出ろ」
「…うん…。」
躊躇いがちに電話に出たAの声とは対照的に、聞こえてきたテヒョンの声は明るく嬉しそう。
俺達が何をしているのか知らない。
知らないから、アイツに見せつけたくなる。
会話している間も、俺はAの体に触れる事をやめない。耳朶を指先で摘み、開いたブラウスの中に手を入れて下着の上から胸を撫でると、Aの声は吐息に変わる。
聞こえてるよな?
なんとなくわかってるよな?
Aの側にいるのが俺だって事に。
「A、いい加減携帯切れ」
わざと聞こえるように言ったのは、アイツへの牽制。
Aはお前だけのモンじゃねぇって事、アイツに思い知らせてやりたかった。
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作者名:bluemoon | 作成日時:2020年9月19日 9時