3 ページ3
.
「スゲェ量…これを俺に食べろと？」
「なんか色々とありまして…お詫びのつもりでくれた。お代も結構だって」
「お前なにしてきたんだよ？」
「私じゃないから！」
お弁当の蓋を開け、ユンギは量の多さにため息を吐く。盛り付けられた肉の半分を私のご飯の上に乗せ、自分は普通盛りに。私は大盛りを超えた特大盛りに。
「私女子なんですけど…。」
「お前なら余裕で食えるから。日頃から食べ物粗末にするなって言ってるの誰だっけ？」
「はいはいわかりましたよ。私が責任持って食べます！」
半ば逆ギレ気味に大口を開けて食べ始める私に、「そういう男前なところに惚れそう」って心にもないことを平気で言うユンギ。
惚れそうか…。
「ユンギ、一目惚れしたことある？」
「ない」
「即答？今まで一度も？」
「そういうお前はあるのか？」
「私もないからユンギに聞いてるの。どんな感覚なんだろうって。ほら、よく出会った瞬間にこうビビってくるみたいな事言うじゃない」
「ふーん。お前に対してはないかも」
私に対してさらりと毒を吐くユンギのご飯の上に乗せられたお肉を戻せば、ユンギは嫌な表情。元はユンギの物だったんだけど…。
「で、何でそんな事聞くんだ？一目惚れされたわけでもないのに」
「それがさ…されたわけなのよ…。」
「誰が？」
「だから私が、」
「あ、あの…！」
後ろから聞こえてきた声に振り向けば、青年が立っていた。幼い子供が付けるような可愛いライオンの顔がイラストされたエプロン。整った顔立ちとのギャップに少々戸惑いつつ。
「渡し忘れたものがあるとか？」
「違います…。」
「じゃあ、他に何だろう？」
「俺に聞かれても…。お前に用があってきたんじゃねぇの？」
「私に？」
「そうです。俺、あなたに用があって追いかけて来ました。さっきの質問の答えも聞いてないし…。それよりも俺が気になってるのは、二人は付き合ってるんですか？」
青年の言葉に口に含んだコーラをユンギは吹き出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2328人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：bluemoon
| 作成日時：2020年9月19日 9時
