1 ページ1
.
「お見合い？誰が？」
「誰がって、私だけど…。」
「お前と結婚したいと思う物好きもいたんだな」
「どういう意味よ！」
言葉通りの意味だけどと、コーラ片手にユンギは日陰になっているベンチへと腰かけた。それを横目に腹を立てながらも私もその横へと腰かける。
新人研修からの腐れ縁というものか、同僚のユンギとはなぜか馬が合い行動を共にする事が多い。言いたい事も言える仲だし、互いに遠慮というものはない。
そんな私達を見て二人って付き合ってるの？と聞かれる事も多いが、決まって返す言葉は「有り得ないから」と答える。
ユンギは見た目的には普通にカッコいいとは思う。
気配りも出来るし、優しいとこも。
「人の顔ジロジロ見てなんだよ？言っとくけど、昼飯は奢らねぇからな。ったく、外は暑いってわかってんのに、何で外で食べたがるんだ？ほんと、迷惑」
「迷惑って言いながら、私の誘いにのる人は誰？」
「……早く飯買って来いよ」
「私が奢るの！？」
「お前の相談にのるんだ。当たり前だろ？」
早く行けと手で払う仕草に、若干のイラつきを覚えながらも素直に従う私も私だ。財布を握りしめ、遠くに見えるキッチンカーへと歩き出す。
「あの店員さんイケメンだよね！」
「うん！お釣りもらう時手が触れて幸せだった」
すれ違う女性達の声は高く、嬉しそうな表情。
並ぶ女子率の多さを考えても、この先にいる店員は相当なイケメンらしい。
イケメンなら、ユンギで見飽きている。
面と向かって本人には言ってあげないけど。
「次の方ご注文をどうぞ！」
「あ、はい。どうしようかな…。」
「お考え中なら、今日のオススメとかはどうですか？スタミナ弁当がさらにボリュームアップで、お値段もお得になってますよ」
「お値段もお得に…。なんていい響き。それ二つ下さい」
「ありがとうございます！」
満面の笑顔でオーダーを受け取った青年は、「テヒョナ、スタミナ弁当二つ」と奥にいる誰かに声をかけていた。
女性達が噂していたようにイケメンと言うよりは、可愛い青年はいた。モチモチとした白い肌に、ニコニコと笑う姿は人当たりが良さそう。
「お客様ご飯のサイズはどうしま…、」
奥から顔を出してきた青年は私と目が合った瞬間、窓から身を乗り出し手を握りしめてきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2328人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：bluemoon
| 作成日時：2020年9月19日 9時
