恋の処方薬。 DK ページ7
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僕の彼女は少し子供っぽい。悪戯が好きだし、感情の起伏が激しい。
今日だって行きなり遊びに来たかと思えば、"お医者さんごっこ"しようって。
僕もそういうノリが嫌いじゃないから。
ううん、大好きな彼女だからどんな遊びにも、どんな我が儘にも付き合ってあげたいんだ。
『心音を聞きますから、服を捲って下さい』
「あ、はい…。」
ポケットから伊達メガネを取りだし装着したAのなりきりよう。綺麗な顔立ちをしているから、メガネをかければ知的で、仕事の出来る本物の女医みたいだ。
『ニヤニヤしないで下さい』
「すいません。先生のお顔がとても綺麗だったので」
『ごめんなさい。私、結婚してるんです』
「え、嘘…。ヤダヤダ、何でそんな設定なの?遊びでも僕嫌なんだけど」
『もう、黙って付き合ってよ!例えばの話しなんだから』
「だってさ…。」
これじゃどっちが子供っぽいのかわからない。
例えばでも、Aの設定の中では僕以外の男性と幸せな家庭築いているとか。
『表情はどこか不機嫌みたいですね。心音は――え、ちょっと、』
僕の胸に耳を当てるAの体をぎゅっと抱き締めた。
少し抵抗して、仕方ないなぁと大人しくなるA。
『ソクミンさん、鼓動が急に速くなりましたね』
「それは、多分先生のせいです」
『私のせい?』
「ずっと憧れていたA先生を抱き締めているから。僕、先生に家庭があっても構いません。だから、僕とお付き合いしてくれませんか?」
抱き締めていた体を離し、じっとAの目を見つめる。
『プッ…アハハ、ソクミンたら私以上に役になりきって。わかったから、遊びはおしまい』
「まだ、返事もらってない」
『ソクミン?』
「恋の病に聞く処方薬、僕にちょうだい」
『例えば?』
「わかんない?即効性の強い、僕だけに効くもの」
うーんと考え込むAに距離を詰めて、彼女の唇をトントンと叩く。
少し頬を染めて…Aは僕にキスをくれた。
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作者名:bluemoon | 作成日時:2020年4月25日 22時