伝えるよ。1 WOOZI ページ40
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「A、教科書見せて」
『スニョン、また忘れたの?』
「忘れたんじゃなく、Aに見せて欲しくてわざとな」
『もう、調子いいんだから。少しはジフンを見習ったらどう?ねぇ、ジフンも…、ジフンどうかした?』
「別に…。」
普段から不機嫌な表情をしていると思われがちな俺の顔。必要以上に愛想を振りまかないから冷たいと見られがちだが、そんな事はない。
俺だって人並みに恋だってするし、嫉妬だってする。
今だってAに好意を示すスニョンに腹を立ててるところだ。
「お前嫉妬してるんだろ?俺とAの仲に?」
「スニョン殴られたいのか?」
「暴力反対。好きならちゃんと態度で示せ」
「お前みたいに気を引くために俺はAを困らせたりしない。迷惑かけんな」
「相手にされないジフンには言われたくない」
『二人とも喧嘩しないで、』
俺とスニョンに挟まれた状態のAは、困ったような表情を浮かべていた。
困らせるなって…俺も結局はAを困らせてる。
クラスメートはまた始まったと興味なさげ。噂好きな一部の女子からは話のネタになると、感謝される事もあるけど…。
話のネタってなんだよ。
こっちはこっちで、毎日バカみたいな同じやり取りにいい加減飽きてるとこなのに。スニョンがAを諦めてくれないから、Aも俺かスニョンか……そろそろ決めて欲しい。
「Aー、ホソク先輩が呼んでるよ」
『え!?嘘…ほんとに…?い、今行きます』
慌てて席を立ったAは机の足に躓き転びかけていた。でも、嬉しそうな横顔に頬まで染めて、あんな表情俺達に見せてくれない。
「なぁ、見たか?」
「……スニョンはどう思ったんだよ?」
「そりゃ…なんか胸がむずむずする。だって初めて見た訳だし」
「俺も…A…あんな表情もするんだな…。」
「表情?お前何言ってるの?」
「何って、Aがホソク先輩の事…。」
恋愛に疎い俺でもわかる。
Aがホソク先輩に好意を寄せてるって事。
「A、大人しそうな顔して…大人っぽい下着履いてた。白い太腿から覗く黒のレース系の、」
「お前が何言ってんだ!やっぱり一発殴らせろ!」
転けそうになった拍子にスカートの裾がひらりと舞って、俺にもAの下着が見えたのは事実だ。けど、それを口に出す勇気は俺にはなく、スニョンに食ってかかった。
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作者名:bluemoon | 作成日時:2020年4月25日 22時