【SVT】for you (ページ30)

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惹かれた理由。　THE 8 ページ30

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「Aから見て、僕って男らしさに欠ける？」

『どうしたの急に？』

「なんとなく気になって…。」

なんとなく気になったからと言うのは嘘。
むしろずっと気になってた事を、僕は彼女のAに聞いてみた。

「で、どう…思う？やっぱ男らしくない？」

『そんな事ないよ。ミョンホは今のままで十分』

「それって、なんか期待されてないようで…なんかヤダ…。」

Aに背を向けてベッドに横になった僕は、褒められたら褒められたで気に喰わない。じゃあ、逆に貶されたらいいのかと言われれば、それはすごいショックを受けると思う。

天邪鬼な僕の性格。
そんな僕にいつも付き合ってくれる優しいA。

彼女を困らせたい訳じゃないんだけど…。だったらはなからこんな質問しなければいい。でも、彼女がどう思ってるか知りたくて。

モヤモヤとした感情でこのまま終わりにしたくない。

「休憩所で女性社員達が話してた時、A…もあの場にいただろ？男らしい男性社員はミンギュだって…。逞しい体付きに守ってもらいたいって騒いでた」

『あの時ミョンホも近くにいたの？』

「最後まで聞きたくなかったから、すぐに休憩所出て行ったけど…。僕、男にしては体の線も細いし、周りからはひ弱に見えてるのかなって…。別に周りにどう思われててもいいんだ。ただ、あの場でAも賛同とかしてたら…。」

男らしさや逞しい男性に惹かれるのが、悪いって言ってるんじゃない。もし、Aがそんな男性を望んでいるなら、僕もそうでありたいし、そういう男性になりたい。

『じゃあ、最後まで話聞いてなかったんだ。私にとって男らしい男性はミョンホだって答えたこと』

「え…、」

『知り合って間もない頃、気分が悪くなった私をミョンホは抱き抱えて医務室まで連れて行ってくれたでしょ？その時のミョンホがすごくかっこよくて、男らしくて……それで、ミョンホに惹かれた。ミョンホは私のどこに惹かれたの？』

「全部…。」

『全部…？』

「Aの全部に惹かれた。だから、好きだって自覚するのに時間かからなかった」

自分で言って少し気恥ずかしかった僕は、彼女の体を抱きしめた。

その人に惹かれる理由はそれぞれ違う。
でも、僕は君の全部に惹かれたんだ。