【SVT】for you (ページ23)

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強引なのは好きだから。 JEONGHAN ページ23

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『ハニ、歩くの早い…！』

「別に普通だろ。Aが歩くの遅いだけ」

手を繋ぐ事もせず、後ろを歩く彼女を気にも留めない。歩を進めるたびにこんなくだらない会話を繰り返す。通り過ぎていくカップルは恋人繋ぎで楽しそうなのに。

俺とAの距離は一向に埋まらない。
チラッと後ろを見れば、泣きそうな彼女の顔。

抱きしめてあげたい、ごめんと一言言えば済むこと。でも、嫉妬に駆られた俺は、誰よりも素直じゃない。だから、彼女にきつく当たってしまう。

『ハニ…私帰る』

「は？ここまで来て帰るってなに？」

『だって、ハニ怒ってるじゃない！迎えに来てくれてからずっと…。私何かした？ハニを怒らせるようなことした？』

「自分でわかんないとか。ほんとムカつくんだけど。それとも俺が何も知らないとでも思ってるのか？」

『知らないって何が、』

俺が何に対して腹を立てているのか検討もつかない彼女は、ほんと鈍感だ。その純粋さが、時に苛立つ。だから、帰ろうとする彼女の腕を掴んで、入れよと玄関のドアを開けた。

『ちょ…んっ…！』

靴を脱ぐ暇も与えず、壁に彼女の体を押し当てるといきなり深いキスをした。苦しいと俺の胸を押して逃げ出そうとする彼女の腕を片手で固定し、もっと奥深くまで舌を差し入れる。

「ジスって男誰？」

『はぁ…っ……何でジスの名前…、』

「さっき携帯で話してたろ？俺が迎えに行った時。楽しそうに、行くの楽しみだって！」

『違うの！ジスは同僚で、楽しみって言ったのはハニと行くお店の事。ジスが彼氏と二人で行きなよって教えてくれて。それに…ジス彼女いるし』

「……信じていいんだよな？」

まだ疑うような俺の態度に、彼女は『私にはハニしかいないよ』と、欲しい言葉をくれる。

嫉妬に狂った俺はこんな乱暴なマネをして、でもそれぐらいAが大好きで、彼女の口から俺以外の男の名前を聞きたくなくて。

自分でもわかってる。
彼女を自分の都合で振り回していること。

「ごめん…乱暴な事して…。」

『ううん…。どんなハニでも、変わらず私は好きだから。それに、強引になるほど愛されてる証拠でしょ？』

続きしてくれないの？と俺との行為で濡れた彼女の唇が誘う。

腰を抱き寄せ、今度は優しく、溶かすような甘いキスをした。