【SVT】for you (ページ21)

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君の思うように染めて。 THE 8 ページ21

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お昼休みになり、僕と部署が違う彼女をランチに誘おうと職場を訪ねたら、まさかのすれ違い。同僚の女の子がAはミンギュくんと一緒に出かけたと教えてくれた。

行き先は多分屋上だろう。三人セットで行動する事が多い僕達の集合場所みたいなもの。

「Aいる？」

屋上の扉を開け様子を窺うと、少し離れた位置にいるミンギュとAの姿。静かだから離れていても二人の会話が聞こえる。

「いい加減認めろよ。俺が好きだって」

『私には…好きな人がいるから…。』

「それ、俺の事だろ？お前の目が、お前の態度がそうだと告げてる。素直になれよ、俺に抱かれたいって」

壁ドンされているのは僕の彼女で、それをしているのが僕の親友のミンギュで。何がどうなっているんだと、プチパニック状態。

見てはいけない……いや、止めなきゃダメだろ！

自分にツッコミをいれつつ、二人の元へと駆け寄った。

「何してんだよ！」

『ミョンホ！？な、なんでここに』

「Aを探してたら二人の会話が聞こえて…。しかも浮気相手がミンギュとか…、」

「違う違う。これには訳があってさ、」

「ミンギュは先に戻って。Aの口から聞かせてもらうから」

僕の言葉に、ミンギュは渋々屋上を出て行った。その後ろ姿をじっと見つめるA。彼氏の僕を見ようともしない。

「で、どういう事か説明してもらおうか」

『それは…その…。』

歯切れの悪いもの言い。詰め寄る僕に、Aは観念したのか話始めた。

事の詳細はこうだった。今ハマっているドラマのワンシーンを再現しようと、遊びのつもりでやったこと。そこを運悪く僕に見られたという訳だ。

「どうして僕に言ってくれなかったんだよ」

『ミョンホはタイプ的に優しい性格だから。ドラマの主人公超ドSだし。相手役はミンギュかなって…、』

「僕だって…できるから」

『ミョンホ？』

バンッと彼女の顔横に手をつき、グッと距離を縮める。
動揺するのは、今度はAの番。

「あんま俺を舐めんなよ。紳士ぶってても、頭の中お前を抱くことだけ考えてる。俺以外の男に目移りするな、ずっと俺だけを見ていろ。いい子に出来たら、ご褒美やるから」

『ご、ご褒美…。』

うっとりするような僕を見つめる彼女の目。
ドS趣味とか初めて聞いたけど…。

大好きな彼女に染められるなら、それも悪くないのかもしれない。