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頼っていいんだよ。 S.COUPS ページ18

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「最近、疲れてない?」

『平気…。ようやく任された大きな仕事だから。絶対に失敗したくない』

「気持ちはわかるけどさ、寝てないんじゃないのか?目元にクマできてる」


頬へと伸ばした手を、大丈夫だからと彼女は払った。

大丈夫じゃないから声をかけたのに。酷く疲れた様子だったから助けてあげたくて、触れようとした手をAは払う。気の強い彼女の欠点は、彼氏の俺にも頼ろうとしない事。


『もう、あの子入力ミスしてるじゃない。大事な会議資料なのに』


長い髪を搔きあげ苛立つような仕草。期限が差し迫っているからか、パソコン画面と睨めっこしたまま、深いため息を吐きAは机に突っ伏した。

同じ空間にいても、彼女は俺を見ない。
必要とされていないようで癪に触る。


「そんな状態で進めても上手くいかないよ」

『スンチョルは黙ってて。これは、私の仕事なんだから』

「はい、今日はお終い」

『あ、ちょっと!』


Aの返事も待たずにパソコンの蓋を閉じ、散らばった資料を手早く鞄の中へと押し込んだ。


『何するのよ!まだ終わってないのに』

「Aおいで」

『え…、』


両手を広げて彼女が自分の元へとやって来るのを待つ。俺の突然の行動に戸惑い、やや間があってAは俺の腕の中へと体を預けてきた。


「抱きしめるの久しぶりな気がする。最近のAは俺といても仕事ばかり優先でさ」

『仕方ないじゃない…。』

「Aが頑張ってるのは知ってる。でもさ、そんな肩肘張らなくてもいいんじゃないか?ちゃんと食事とってる?眠れてる?お前を見てると心配なんだよ」

『スンチョル…私…。上手くいかなかったらどうしようって不安で、みんなに迷惑かけたらどうしようって…怖くて…っ』


気丈な彼女が泣くのは珍しい。
重圧に押しつぶされてしまいそうな華奢な体。


「やっと本音言ってくれた。もっと俺を頼れよ、胸に抱えてること吐き出して、自分の気持ちぶつけて。俺、お前を支える準備いつでも出来てるから。ずっと側にいるって約束するから。でも、その前に眠れ。お前が倒れたら何もならないだろう?」


二度目に伸ばした手は払われる事はなかった。頬を伝い落ちる涙を拭い、彼女の背中をポンポンと優しく叩いていると、聞こえてきたのは寝息。


頑張り屋な彼女の可愛い寝顔に、そっとキスをした。

明かりが消えたなら。 WONWOO→←その声にその表情に弱い。 DINO



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設定タグ:SEVENTEEN , セブチ , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:bluemoon | 作成日時:2020年4月25日 22時

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