その声にその表情に弱い。 DINO ページ17
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「ヌナ、テレビばっか観てないで少しは構ってください」
『んーちょっと待ってて。もう少しで終わるから』
僕の太腿に頭を乗せ横になっているヌナは、さっきから僕が呼んでも生返事ばかり。恋愛系のドラマを観ては、この役者さんのファンなのと、僕を苛つかせる発言。
彼氏の僕をほったらかしで、他の男を褒める。
これで腹が立たない訳がない。
おまけに…。
『この役者さん可愛い顔して脱ぐといい体してるんだよね。ギャップ萌えっていうかさ』
「僕だって…脱ぐとそれなりにいい体してます…。」
『そうだね。確かにチャニもいい体してるよね』
なんて言いながら僕の太腿を撫でるヌナの手つきはいやらしく、円を描いたりわざと敏感な部分を掠めるような触れ方。時々手を伸ばして僕の耳朶を指で挟んだり、毛先を指先に巻きつけたり、遊ばれているような。誘われているような。
「ヌナ……シても…いい？」
『だめ。チャニ加減しないもん。次の日私が大変だから』
「でも…しばらくしてないし。僕、ヌナに触れたい」
『そんな顔して見ないでよ…。私だって、』
寝ているヌナの顔を覗きこみ、唇にキス。唇を合わせたまま「お願い…。」と口だけ動かす。
ヌナは僕のお願いに弱い。甘えた素振りを見せれば、結局大人なヌナの方が折れてくれて、いいよと許してくれる。
あざといと思われてもいい。
それが、年下の僕にできる甘え方。
「脱がしてもいい？」
『うん…。でも、ほどほどにしてね。それと、服から見える位置にキスマークつけるのも』
「多分…大丈夫だと思う…。」
ヌナとの約束事を、曖昧に返す。行為の最中は無我夢中で、他のことなんて考えていられない。僕の名前を呼んでは、僕の体をぎゅっと抱きしめてくるヌナが可愛いから。理性なんてものはいつか間にかなくなっていて…。
肩にかかる髪を後ろに流し、ブラウスのボタンに手をかける。一つ一つボタンが外れる度、見えてくる鎖骨に、白くて綺麗な肌。吸い寄せられるように、淡いピンク色の下着の上から胸の輪郭に舌を這わせると、生地が濡れ透けて見えるようで、興奮する。
『…チャニ…直に触れて…。』
「早く終わらせたくないから、ゆっくり…もっと焦らしたい…。」
意地悪、とヌナの頬が膨らむ。
加減しろって言われたけど、ヌナが子供みたいで可愛い。
だから今日もきっと…無理だと思う。
でも、ヌナのことだからまた許してくれるんだよね？
ヌナは、僕の声に僕の表情に弱いから。
頼っていいんだよ。 S.COUPS→←おねだり。 MINGYU
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2020年4月25日 22時
