【SVT】for you (ページ13)

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プロポーズ。　S.COUPS ページ13

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「どうした？元気ないみたいだけど」

『そんなことないよ。久しぶりに会うんだし、今日はたくさん楽しもう』

俺と彼女は遠距離恋愛。電話やカトクでは毎日のように連絡しあってても、実際に合うのは三ヶ月ぶり。

社会人一年目で仕事も忙しいし、一人暮らしで何かとお金にも余裕はないから、頻繁には会えない。

彼女に寂しい思いをさせないためにも、時間とお金の都合がついたら、俺は直ぐに会いに行く。

でも、今日はAの様子が変だ。

頬は赤く、時々軽い咳をする。俺が話しかけても、どこかぼうっとしていて、だから体調悪いのって聞いたのに、Aは答えをはぐらかした。

「やっぱ予定変更。Aの部屋行こう」

『どうしたの急に？スンチョル一緒に観たい映画あるって言ってたのに…。』

「映画はまた今度でいい。家でゆっくりしよう」

『スンチョルがいいなら、』

行こう、とA手を握ってわかった。彼女の手は熱い。その原因がわかるから、Aが歩きやすいようにそっと腰に手を置いて、少しふらつく体を支えて歩いた。

「38.5℃……体調悪かったのに、何で言わなかった？」

『それは…、』

Aの部屋に入るなり彼女をベッドに寝かせ、熱測ってと体温計を渡した。

『スンチョルよく体温計のある場所わかったね…、』

「前に俺の看病してくれたこと覚えてたから。それより早く測る」

このやり取りの後に渋るAを説得し、熱を測らせたらやっぱり俺が思ったように、Aは体調を崩していた。

『ごめんね…スンチョル…。』

「何で謝るの？」

『私のせいで楽しみにしてた計画台無しにしちゃったから』

「気にしなくていい」

『でも…、』

「俺はAといられるだけでいいんだよ。それに、計画も先伸ばしになっただけで、思いっきり楽しむ為にも、隣にはAがいてくれなきゃダメだから」

元々泣き虫なAは、俺の言葉で我慢してたモノが溢れ泣き出した。

離れている間も心細くて、寂しい思いをさせてる事に、ブランケットの上から華奢なAの体を強く抱き締める。

「いつかAのこと迎えに来るから。その時がきたら、一緒に暮らそう」

一人で泣かなくていいように、寂しい夜は隣でAを抱き締めてあげられるように。

自分なりのそう遠くないプロポーズ。