番外編��-2- ページ17
私たちは並んで、狭くて細長い廊下を進む。
BGM以外にはなんの音も聞こえず、お化けの「お」の字も感じないほど、気配すらしない。
いつ何がどこから飛び出てくるか分からない恐怖と戦いながら、私はひゅっ、と小さく呼吸をした。
それに気づいたのか、左馬刻さんが意地の悪い笑みを浮かべて私を見下ろした。
「ンだよ、ビビってんのか」
「え、え、いやべ、別に……あ、さ、左馬刻さんって、お化け屋敷初めてですかッ？」
気を紛らわせようと思って、左馬刻さんに話しかける。
怯えているのはバレバレだろうが、左馬刻さんはそこまで深く追求せずに、話に乗ってくれた。
「いや、合歓……妹と入ったことある。デパートのしょぼいやつだけどな」
「あ、私も昔そういうの入ったことあります……お兄ちゃんと。
お兄ちゃんがあんまり騒ぐから、逆に冷静になっちゃうんですよね」
「あー、一緒のやつがくそビビってたらこっちは冷めちまうやつな……
ッお、」
かなり、普通の会話が成り立っている気がする。
＿＿＿なんて言うか、ちょっと、嬉しいな。
そんなことを考えていると、左馬刻さんは唐突に奇妙な声を上げると、黙り込んでしまった。
え、何………と思って彼を見上げれば、私に背を向け、少し前屈みになっている。
口元を覆い、一言も発さずに肩を震わせている。
「あ、あの、どうかしましたか？」
クイッと袖を引くと、どうやら左馬刻さんは笑っているらしいということが分かった。
「いや、別に……ちょっとお前、後ろ見てみろ」
この状況で笑いだした左馬刻さんを訝しみながら、私は後ろを振り返る。
振り返る＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「ア"ーーーーーーーーーーーーッ！！！！！！！！！！？！？！？」
私の体は、少しも動かない。
だが、全身の毛穴が開き、口からはとんでもない大きな叫び声が飛び出してきた。
＿＿＿私の背後に迫ってきていたのは、
「う、あ"……うら、めしやぁ……！！」
頭からダラダラと血を流し、怨念の籠った声を上げて私たちにフラフラと近寄ってくる、ゾンビのようなお化けだった。
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鈴 - 夢主ちゃん、幸せになって良かったぁあああ！！！！！もう、すっごい感動しました！泣きました！ありがとう、感動をありがとうございます！！！(うるさくてすいません) (2020年7月14日 21時) (
レス) id: 7ac441a921 (このIDを非表示/違反報告)
まー - 完結おめでとうございます！めっちゃくちゃ感動しました！自分の妄想でこんな感じの話を作ってたので私の心にぶっ刺さりました笑笑左馬刻様マジでかっこいい(*≧∀≦*)ほんとにほんとにこの話読んでて泣きそうになりました。私もこんな感じの人とこんな恋がしたいな、、 (2019年11月20日 16時) (レス) id: 0db8fc4dba (このIDを非表示/違反報告)
帝光(プロフ) - 改めて完結おめでとうございます！！！！！この作品で私は事あるごとに涙を流す変な奴になってしまいました。見事にゴールインして嬉しかったです！お兄ちゃんも出てきたし！次の作品、楽しみにしています！受験、頑張ってください！ (2019年7月24日 10時) (レス) id: f744c6fe41 (このIDを非表示/違反報告)
夏柯 - 完結おめでとうございます！本編で泣き、番外編でも泣き……感動しまくってました！プロポーズがロマンチックすぎて……！本当に良かったです！更新お疲れ様でした！ (2019年7月13日 16時) (レス) id: d7e54bb1e1 (このIDを非表示/違反報告)
世理(プロフ) - 本当の完結おめでとうございます！もう...めっちゃ好きです！新作出たらすぐに飛んできますので!!!楽しみにしてます!お疲れ様でした! (2019年7月11日 20時) (レス) id: 5d3e2d5767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：矢野いと | 作成日時：2019年5月24日 18時
