2日目-4- ページ15
車窓を流れる景色を見ていたら、だんだん私もこの車がどこに向かっているのか、聞かなくても分かった。
「もしかして、ネズミーランド…！？」
「さぁな」
左馬刻さんは意地悪そうな顔で答えをはぐらかした。
お父さんとお母さんが生きていた頃、1度家族で行ったきりだが、間違いなく車は"夢の国"と名高いあのテーマパークに向かっているはずだ、と思った。
「それより、お前の話しろ。何でもいいから」
「え、私の話、ですか？」
急に言われて戸惑った。
面白い話なんてすぐに出てこないし、左馬刻さんの意図がよく分からない。
「なんかあんだろ。友達とかバイトとか…兄キのこととか。好きに話せ」
「好きに……あっじゃあ、左馬刻さんを初めて見た日の話とか！」
左馬刻さんは苦笑いで何も言わなかったが、私は了承の意だと解釈して話し始めた。
5年前、私が高校3年生だった時。
私の同級生…と言っても話したこともない人だったが、その人がヤクザ相手に何かやらかしたらしい、という噂を友達に聞いた。
ある日の放課後、私たちの高校の校門にはヤクザさんが詰めかけた。それも全ての門を塞ぐように。
威圧的な雰囲気を纏った男性が睨みを利かせていて、一般の生徒がビビって出入りできなくなってしまった。
観念した当事者の男の子が校門で土下座している様子を、私と友達はこっそり近くから野次馬として見物していた。
しばらくすると、車から強そうな男の人に両脇を固められた男の人が降りてきた。
スラッと背の高いその人は、白銀の髪をオールバックにして、赤い瞳をギラつかせていた。
やがて男の子は車に乗せられ、どこかへ連れて行かれてしまった。
周りの人や友達はヤバイヤバイと興奮気味に噂していたが、私は男の子の行く末なんてどうでもよかった。
「格好良い……………」
白銀の髪のイケメンヤクザ＿＿＿左馬刻さんに、一目惚れしてしまったのだから。
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矢野いと(プロフ) - 百面相さん» こちらこそコメントして頂きありがとうございます。とても力になります！完結まであと少し、お付き合い頂けると嬉しいです。よろしくお願いします！ (2019年5月20日 17時) (
レス) id: 44c4b06050 (このIDを非表示/違反報告)
百面相(プロフ) - ストーリー物で唯一楽しみにしている作品です！ニヤニヤしながら見させて頂いています…。素晴らしい作品を有難うございます！ (2019年5月18日 22時) (レス) id: 5fbb166415 (このIDを非表示/違反報告)
矢野いと(プロフ) - ぱぴぷぺっぽー！さん» そう言ってもらえると嬉しいです。頑張ります！ (2019年4月28日 9時) (レス) id: 44c4b06050 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴぷぺっぽー！ - おぁぁぁあ！！！！！凄い好み！この小説！！！更新頑張ってぇぇ！！ (2019年4月24日 19時) (レス) id: 73667381e3 (このIDを非表示/違反報告)
矢野いと(プロフ) - すずさん» ありがとうございます！励みになります(^-^) (2019年4月20日 19時) (レス) id: 44c4b06050 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：矢野いと | 作成日時：2019年4月9日 12時
