青い恋人５ Shori.S (ページ7)

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聡「うーん、これ言って良いのかなぁ」

しばらく続いた

花火の音と海の音だけが聞こえる静かな時間に

聡がそんなことを言い出す

『え、何その言い方

そこまで言っちゃったなら気になるから言ってよ笑』

聡「んー、笑

俺のひとりごとね？！これから言うのは…」

少しだけ聡の表情が真剣になって

私もつい、息をのむ

『…分かった』

聡「勝利さ、

Aがいなくなってから、抜け殻みたいだったんだよ

話してても、遊んでても、勉強してても、

どこかずっと上の空で

何考えてんのかよく分からなかった」

『…え』

聡から説明されたその様子は

当時の私そのもので

思わず声が出そうになるのを必死に抑える

聡「時々ね、Aと一緒に写ってる写真とか後ろの空いてる座席とか見て

すっごい切ない顔するの

ここにある丸太に座る時も

絶対右に寄って座ってたんだよ

勝利は気のせいとか言ってたけど、笑

それで、俺とか岸くんが何て声掛けても

意地でもAの名前は出さなくて…」

初めて聞いた

想像もできていなかった

あの時の私は

自分のことだけで精一杯で

今になって何を思っても

私にできることなんて無い