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淳「あ、Aちゃん
いらっしゃい」
少し重い扉を開けば
落ち着いたBGMと聞き慣れた優しい声
『こんにちは
ごめんなさい、混んでる時間でしたね…』
淳「そんなん気にしなくて大丈夫やで
カフェラテでええ？」
『はい、お願いします』
淳「ごめんな？
ちょっと待っててな」
『全然大丈夫です！
ありがとうございます』
お店は少し混んでいて
私はささっとカウンターの一番端の席に腰を掛ける
いつもの席に座るとなんだか安心して
水を一口飲んでから
スマホの画面を開いた
連絡先を開き
"健人くん"と"勝利"の文字を捉える
"健人くん"を押しては"戻る"を押して
"勝利"を押しては"戻る"を押して
視界の隅に見えた
手際良くドリンクを用意している淳太くんとは対照的に
私はなんて生産性のない時間を過ごしているんだろうか
そんな自分に
ため息を漏らすことしかできなかった
淳「Aちゃん、遅くなってごめんな
カフェラテどうぞ」
不意にそんな声が斜め上から聞こえて
気が付けば目の前にはカフェラテが置いてあった
周りを見回してみると
店内もだいぶ落ち着いたよう
『…
あ！ありがとうございます
すいません、ちょっとぼーっとしてて』
淳「大丈夫？
人生の先輩、ここにおるで
なんてな笑」
少しだけ冗談っぽく笑ってそんな言葉をかけてくれて
それが今の私には心地良かった
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作者名：ﾌﾚｰｽﾞｼｭｸﾚ | 作成日時：2022年10月19日 3時
