青い恋人４ Shori.S (ページ25)

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微かに手は震えてしまい

頭の中はショート寸前で

そんな私を察してくれた健人くんは

何も言わずにそっと

見えないところで私の右手を優しく包んでくれた

でも、このままずっとこんな状態でいる訳にはいかず

静かに深呼吸をして

水を一口流し込み

心の落ち着きを取り戻した

健人くんと風磨さんが楽しそうに談笑していて

勝利も柔らかい笑顔を浮かべている

みんなで大学の話をしたり

それぞれの幼少期の話をしたり

気が付けば、いつの間にか

初めて集まった顔ぶれだということを忘れそうなくらい

居心地の良い空間になっていた

風「じゃ、俺らはそろそろ」

勝「え、ちょっと風磨く…」

風「ん？

ずっと会ってなかったんだろ？

積もる話もあるだろ」

健「A、ゆっくり話しておいで」

『え、

あ、うん』

「じゃーな」なんて言いながら

2人は席を離れてしまい

取り残された勝利と私は

戸惑いながら苦笑いを浮かべる

勝「…ごめん！」

『え、何が？』

勝「俺が、風磨くんにお願いしたの

"健人先輩の彼女さんに会わせてください"って」

『っ… そうなんだ

でも私も、ずっと会いたかったから

びっくりした』

勝利からは"健人先輩の彼女"に見えてるのか

なんて、当然のことが頭に引っかかって

自分でも何を考えてるのか分からなくなる