青い恋人２ Shori.S (ページ10)

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インターホンを押すと

目を真っ赤にした勝利が家の中に入れてくれた

勝「A、どうしたの

お母さんからプリント受け取ったよ

あ、アイスもありがとね

まだ食べれてないんだけど、後で食べる」

『ううん、そんなこと良いの

ごめん、お母さんからちょっとだけ話聞いた

部屋から勝利の家見たら

家の中勝利しかいなさそうだったから来た

勝利の隣にいたくて』

勝「そっか

でも、もう夜だから

俺は大丈夫だから

Aは家に帰りな」

『…帰らない

勝利大丈夫じゃないもん

目真っ赤だし、』

私が泣いていた時に聡がやってくれたみたいに

勝利に優しくきゅっと抱きついた

『泣ける時にね、泣いた方が良いよ

実は今日ね、私が聡に言われた』

一度涙が出ると

それは取り留めなく溢れて

私の首に顔をうずくめながら

勝利は静かに涙を流していた

私がかけられる言葉なんて何も無くて

ただただ勝利に回す腕に力を込めることしかできなかった

勝「……ごめん」

『…ううん

謝んないでよ』

勝「…ありがとう

俺さ、本当は結構かなり不安で、、、

でも一番辛いのは俺じゃないから、、

正直この家に一人でいて

何がなのかはわかんないけど

怖くて」

いつもは滅多に辛いことや寂しいことを話さない勝利が

少しずつ吐き出してくれて

安心する気持ちと嬉しい気持ちがある反面

その痛みを私が共有することはできない悔しさもあった

結局私は『うん、うん』と話を聞いて

勝利をぎゅっと抱きしめることしかできなかった