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恐れていた昼休みは案外すぐにきてしまって
憂鬱だなあ、なんて思いながら体育館の方に足を進めている私は
思っていたより状況を客観視していた
というより、こんなことが漫画以外の世界でも起こるのかと
現実離れしすぎていて
受け止められなかっただけなのかもしれない
「あら、Aさん
本当に一人で来るとはね
男の一人や二人連れてくるかと思ったけど」
心のどこかであのメモ帳は友達が仕掛けたものだと思っていたけれど
そう言った彼女も、その後ろにいた子分みたいな人たちも
私の知らない隣のクラスの人だった
『え…？
いや、一人で来てと書いたのはそちらですよねーなんて、ははは
あの、ご用件は何なんでしょう…？』
本当は心臓がとび出そうなくらいドクドク言っているし
人気もない体育館裏で
正直ものすごく怖かったけど
そんな様子に気付かれては負ける気がして
できるだけ普段通りを装った
「あなた、正直言って目障りなのよ」
『……え』
「これは忠告だけど
勝利くんと付き合ってると思ったら聡くんにも愛想振りまいて
しまいには優太にも手を出してるって言うじゃないの
そんなに男を誑かして何が楽しいの？
偶然住んでる場所が近かったから幼馴染になって
ちょっと仲良くしてもらってるだけのくせに
調子乗ってるんじゃないわよ
この 男垂らし 」
冷めきった瞳で容赦なく言葉を浴びせてくる彼女と
その後ろからも刺さってくるいくつもの視線
全てに圧倒されてしまい
恐怖で足はすくんで
彼女たちが去って行った後も
その場に立ち尽くすのが精一杯だった
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作者名：ﾌﾚｰｽﾞｼｭｸﾚ | 作成日時：2022年6月28日 0時
