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それから優太はよく私に絡んでくるようになった
岸「ほら、お前の彼氏迎えにきてるぞ」
『うるさい、見えてる』
岸「筆箱忘れた!シャーペン貸して」
『もー、何回目?』
岸「教科書忘れた!見せて!」
『前後で見れる訳ないじゃん、隣の人に頼みなよ』
岸「あ、そっか」
いつも騒がしくてうるさいし
授業中に流れ弾のように怒られたりもするけど
なんだかんだ楽しいし良いか
なんて思ってた
ある日、いつも通り教室に入ったのに
なんとなくいつも話したり一緒に行動したりしている友達の様子が少し違っていた
『おはよう』
「あ、おはよ
A、ずっと思ってたんだけど
朝誰と一緒に登校してるの?」
『…え
勝利と聡だけど
あの、隣のクラスの』
そうするとなんだかみんな冷ややかな目をしていて
私には聞こえないようにコソコソと何かを話していた
少しだけ、まだ確信はないけど
"あ、友達いなくなる…"なんてことを
案外冷静に感じ取った
それでも、私の勘違いかもなんていう淡い希望を捨てきれず
平和にこの場が収まることを祈ってみた
『それが、どうかしたの…?』
「いや、別に何でもない」
いつもは笑顔で他愛もない話をして
先生が来るのをみんなで待っていたはずなのに
私を置いてみんなは廊下に出てしまい
今までに感じたことのない不安と孤独に
思わず涙が溢れそうになるのを必死で堪えた
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作者名:フレーズシュクレ | 作成日時:2022年6月28日 0時