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次の年の春
私たちは晴れて高校生になった
なんとか3人揃って同じ高校に合格
春休みには久しぶりに3家族で集まってプチパーティーなんかをして
やっぱり隣には勝利と聡がいた
私たちの中学校から同じ高校に進んだのは半分くらい
とは言っても学年全体の人数もぐんと増えて
高校のクラスに知り合いは片手ほどしかいなかった
勝利と聡ともクラスは離れてしまって
2人とも隣のクラスにいる
相変わらず朝は3人で一緒に登校しているし
勝利と私は変わらず部活に入らなかったから
放課後もほぼ毎日一緒に帰れるんだけど
でも、教室にいないのが
どうしても寂しいのは
私のわがまますぎるかな
自分でも今まで気付かなかったけど
中学校3年間の癖というものは恐ろしくて
気付けば窓側の席に座っていたし
授業中、外を眺めた後にぼーっと見つめる先は
前の席だったんだ
そんなことを感じていたある日
前の席の人をなんとなく見つめていて
寝癖ついてるなーなんて思って
終業のチャイムが鳴った後
つい、手で梳かしてしまった
勝利じゃないんだった…
と思った時にはもう遅くて
絶望したっけ
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作者名:フレーズシュクレ | 作成日時:2022年6月28日 0時